近年、民間だけでなく官の世界でも非常勤雇用が増えている。学芸員など専門職も例外ではない。学芸員は専門分野だけでなく、観光や体験学習といった多様化する社会的ニーズにも対応しなくてはならない。専門家としてさらなる力量が求められるが、正規雇用に向けた改善の兆しは見えない。 そんな中、佐賀県は重点施策として「肥前さが幕末維新博覧会」に新年度だけでも19億円近くつぎ込む。郷土の歴史や文化に焦点を当てた意欲的事業だが、それを支える人的資源への投資も必要だ。 現在、博物館・美術館機能を擁する県の公共施設は佐賀城本丸歴史館など6館ある。学芸員総数は32人で、ほかに非常勤職員が2人いる。大規模な公共施設では正規雇用が進んでいるが、市町を含め小規模施設では非常勤雇用が常態化している。 2012年、行政の公文書や歴史的資料を保存管理する施設として県公文書館が開館したが、専門職に準じる職員は非常勤のままだ。名称こ