通学や通勤、高齢者らの通院など住民の生活を支える地方の交通機関は人口減少や少子化などによる利用者の減少に苦しんでいる。さらに昨春からの新型コロナウイルス感染症による影響も加わった。兵庫県の北播磨でも神戸電鉄粟生線や北条鉄道でも現状は厳しく、衆院選を前に、沿線住民や路線を支える自治体から国に支援を求める声も聞こえる。(篠原拓真、小日向務) 小野市や三木市と神戸市を結ぶ粟生線の沿線自治体や県などでつくる粟生線活性化協議会は今年、国への要望書で、1項目に「運行継続を可能とする長期的視野に立った財政支援」を掲げた。コロナ禍、コロナ後を見据えた要望で、同協議会事務局は「コロナ前には戻らない。どう支えるか考えなければ」と話す。 同協議会によると、粟生線の利用者数は1992年度の1846万人をピークに減少。2020年度はコロナ禍の影響を受け、596万人と最盛期の67.7%減にまで落ち込んだ。 施設整備で