文部科学省の外郭団体「国立情報学研究所」(東京)のサーバーが海外からのサイバー攻撃で乗っ取られ、新たな攻撃の中継点として使われていたことがわかった。個人や研究に関する情報の流出は確認されていないという。同様の被害は2月に富山大学でも起きたばかり。 同研究所はコンピューターや情報セキュリティーに関して、大学と共同研究する国内有数の拠点として知られる。広報チームによると、5月29日にサーバーを管理するパスワードを一時的に簡単なものに変更したところ、同日から6月2日にかけてアルゼンチン、中国のIPアドレス(ネット上の住所)から複数回、不正アクセスを受けた。その際に送り込まれたウイルスが米国とカナダの民間ウェブサイトに向け、大量のデータを送りつけてパンクさせるサイバー攻撃を行ったとみられる。同研究所は「パスワードのルールなど内規に反している部分があった。再発防止に努めたい」としている。(須藤龍也)