大分との県境に近い熊本県産山(うぶやま)村の温泉館に、足湯ができた。ポンプでくみ上げていた温泉が、4月16日の熊本地震の「本震」後、湧き出てきたという。「被災者や地域の住民が元気になってくれたら」と休憩所を改築し、無料で開放している。 第三セクターが運営する「御湯船(おゆぶね)温泉館」。管理する山室健一さん(62)によると、温泉館は地下480メートルの源泉を掘りあて1993年に開業したが、次第に湧き出す湯量が減り、地下30メートルの地点からポンプでくみ上げるようになった。 本震の翌日に山室さんが来てみると、駐車場が水浸しになっていた。触ると熱く、出どころを調べると、湯をくみ上げるポンプからあふれていた。毎分約33リットル湧き出る熱湯を活用しようと、1カ月ほどかけて休憩所を改築。6人ほどが座れる足湯にして、5月27日から開放した。山室さんは「地震で再び自噴したようだ。憩いの場になれば」。問い