イルカ漁の町・和歌山県太地町で、「シー・シェパード」など海外の複数の反捕鯨団体が漁の反対活動を活発化させている。 メンバーの一部は町周辺に“常駐”して活動、9月から始まった漁にも影響が出ている。映画「ザ・コーヴ」の舞台となって以降、人口3500人の小さな町は揺れ続けている。 ◆「出漁減らしてる」 4日午前10時20分、同町の畠尻湾。沖合に10隻近くの漁船が姿を現した。横一列に並んだ船団の前で、約20頭のイルカの群れが追い立てられるように湾内に向かって泳いでくる。イルカが湾に入ると、別のボートが現れ、100メートルほどの湾の入り口を網で仕切って閉じこめる。「追い込み漁」と呼ばれるこの漁の様子を、浜辺から外国人らがビデオカメラで撮影していた。 この漁法を国内で行っているのは太地町だけだ。小型船団で沖の群れを見つけ、金づちで鉄パイプをたたいて音を出し、湾まで追い込む。イルカは食肉処理され出荷され