JR福知山線脱線事故の現場近くで台湾の脱線事故遺族らと話す藤崎光子さん(中央)=兵庫県尼崎市で2023年4月16日午前11時半ごろ、高尾具成撮影 2005年のJR福知山線脱線事故で一人娘の中村道子さん(当時40歳)を亡くした藤崎光子さん(83)は、安全な鉄道を求め、突然家族を奪われた国内外の事件事故被害者とのつながりを広げてきた。事故から18年を迎える4月には、49人が犠牲になった台湾の脱線事故遺族と交流。法人や代表者の責任が問える「組織罰」の創設を訴え続けている。 藤崎さんは事故直後、兵庫県尼崎市の遺体安置所で道子さんを捜して過ごした3日間が忘れられない。変わり果てた家族の姿を見て気を失った遺族を3人見た。泣きながら、JR西日本社員の胸をたたく高齢女性もいた。地獄絵図そのままだ、と思った。