日本相撲協会も野球賭博問題、無気力相撲問題などで大きく揺れた。それから約2年、一心不乱に相撲道を追求する横綱と、将来の大相撲のためにと慣習を破って立ち上がった親方。この2人のおかげで、ようやく朝日が差し始めた気がする。 今年から中学校で武道が必修となった。日本の文化を学ぶことが目的だ。白鵬の姿は相撲道を教えるよい教材だと思うが、翻って柔道はどうか。 次から次へとスキャンダルが出てくる。選手強化費の不正プールなどをつぶさにみると、全日本柔道連盟(全柔連)をトップとしたピラミッド構造が問題だと分かる。そこに貫かれているのは五輪金メダル至上主義だ。現役時代の勝負の優劣が、そのまま指導者の優劣になり、金メダルを取ったものが誰よりも偉い。メダリストが全柔連幹部になり、他の柔道関係者は全柔連に貢ぐべき存在-との意識が垣間見られる。 そのような全柔連は、子供に「柔(やわら)の道」をどう教えるのだろう。「