「ソーシャル・キャピタル(Social Capital)(以下、SCという。)」とは、「信頼」「規範」「ネットワーク」といった社会組織の特徴であり、共通の目的に向かって協調行動を導くものとされる。いわば、信頼に裏打ちされた社会的な繋がりあるいは豊かな人間関係と捉えることができよう。アメリカの政治学者ロバート・パットナムが、著書「Bowling Alone(一人で行うボーリング)」において、アメリカではSCが減退していると指摘し、コミュニティの崩壊と再生について警鐘をならした。これが大きなきっかけとなり、SCという新しい概念が、近年、世界的に注目を集めつつある。こうした中で、ボランティア活動を始めとする市民活動の社会的意義についても、SCの培養という側面の重要性に目が向けられ始めている。 SCに関する調査研究はとりわけ我が国ではまだ緒についたばかりの段階にある。そこで、本調査は、これまでの議