トヨタ自動車が日本で有名な自動車メーカーであることは言うまでもないことだが、その前身が食器メーカーであったことはあまり知られていない。 豊田市は愛知県の北部に位置しており、瀬戸市や岐阜県多治見市と隣接している。 瀬戸市は日本六古窯の一つである瀬戸焼で有名であり、東日本では陶磁器全般を瀬戸物と呼ぶほどに広く流通していた。 多治見市もまた陶磁器の名産地であり、アニメ化もされた「やくならマグカップも」の舞台と言えば説明が早いだろう。 豊田市・瀬戸市を中心とした猿投地区は古代から窯業が盛んであり、日本の三大古窯の一つである猿投窯跡群を形成していた。 今でこそ豊田市に窯業のイメージはあまりないが、トヨタが自動車製造を事業化する以前は、瀬戸市や多治見市と同じく窯業を主産業とする町であった。 窯業は縄文時代(縄文土器)から存在する生活に不可欠な産業で、時代と共に需要は大きくなっていき、明治維新によってさ
アメリカという「現代のバベル」 崩壊後のバベルに生きるというのはどんなものだろう? 創世記には、ノアの子孫たちがシナルの地に巨大な都市を建設したと記されている。彼らは自身らの「名を高めるため」に、「頂上は天まで届く」塔を建てた。神は人間の傲慢に腹を立てて言った。 「見よ。彼らは一つの民であり、一つの言葉だけをもつ。そしてこれは、これから彼らが為すことの始まりに過ぎないのだ。今や、彼らが為そうとすることで不可能なものはなくなった。さあ、下界に降り、彼らの言葉を乱そう。彼らが互いの言うことを理解できなくなるように」 聖書の本文に記述はないが、この物語の有名な解釈の多くでは、神が塔を破壊したことになっている。そこで、この劇的な場面を心に描いてみよう。人々は互いにコミュニケーションを取ることができず、互いの無理解を呪い、廃墟の中を彷徨うのだ。 このバベルの物語は、2010年代のアメリカで起きたこと
Executive Summary 教養というと、実学に関係ないステータス財なのか、それとも実学にも役立つべきベースなのか、みたいな議論が起こる。だがその区別がない場合もあるし、それが理想かもしれないという気もする。大学の上水道学の講義で、屈原の「漁父の辞」に水処理の基本原理が描かれていると、まさに我田引水 (水処理だけに) で強引に読み取ってしまった教授は、なんかそれに近いことをやっていたようにも思う。そこから、直接実学と関係なくても、それと関係あるものを引き出す契機、みたいな教養の捉え方はできないものか? 今日、イベントで教養について話せといわれてあれこれ駄弁ったのですよ。 lms.gacco.org その中で、教養の役割とかいう話になる。こう、教養というと、実学とは離れた古典知ってます、みたいな、ボリス・ジョンソンがホメロスをギリシャ語で暗唱できますとか、日本なら四書五経だの漢詩だの
by Grant Hutchinson Appleが1992年に発売したものの、わずか5年で販売中止になった携帯情報端末(PDA)が「Newton」です。発表されてからちょうど30年を2022年5月29日に迎えたAppleのNewtonについて、IT系ニュースサイトのArs Technicaが振り返っています。 Remembering Apple’s Newton, 30 years on | Ars Technica https://arstechnica.com/gadgets/2022/05/remembering-apples-newton-30-years-on/ 1976年にAppleを共同設立したスティーブ・ジョブズは、マーケティングの第一人者であるジョン・スカリーを「このまま一生砂糖水を売り続けたいか、それとも世界を変えたいか?」という説得でペプシコから引き抜き、Apple
そこにはこんなことが書かれていた。 〈戦記物は勝たないとつまらないらしく「レイテ海戦」なぞかくとトタンに売れなくなるのだ。(中略)ぼくが書きたいのは敗け戦の話だったんだがそれは許されないのだ。少年たちは花々しいガダルカナル戦あたりまでしか読んでくれないのだ。だから本があいついで売れるためには戦争に肯定的にならざるを得ない。自分が思ったことを書いて売れるなんて、マンガはソンナもんじゃない〉(原文ママ) 水木しげるといえば、まず思い浮かぶのは『ゲゲゲの鬼太郎』をはじめとした妖怪漫画の数々だが、ご存知の通り、漫画家としてのもう1本の柱として、自身の戦争体験を多分に反映させた戦争漫画を描き続けてきた作家でもある。 水木はこの文章が書かれた数年前から「少年戦記」という、貸本向け戦記もの漫画専門誌の編集を任され、自身もそこに寄稿していた。そこで、読者にどんな漫画がうけるのか色々と試行錯誤していたのだが
柳原白蓮(1885年10月15日 - 1967年2月22日)、本名は燁子。 大正天皇の生母である柳原愛子の姪で、大正天皇の従妹にあたる。 13歳で華族女学校(現・学習院女子中等科)に入学。 1910年11月、上野精養軒で燁子と九州の炭鉱王・伊藤伝右衛門との見合いが行われた。 燁子は当日、それを見合いだとは知らされていなかった。 伝右衛門は50歳、親子ほどの年齢差・身分・教養ともあまりに不釣り合いであり、 地方の一介の炭鉱主が「皇室の藩塀」たる伯爵家から妻を娶るのは前代未聞のことで、「華族の令嬢が売物に出た」と話題になった。 異例の結婚に新聞では、柳原家への多額の結納金や媒介者への謝儀、宮内省への運動資金など莫大な金が動いたことが書き立てられた。 背景には貴族院議員である兄義光の選挙資金目的と、一代で成り上がった伝右衛門が後妻に名門華族の家柄を求めたことがあったと見られている。 翌1911年
米Appleが現地時間の5月10日、iPod touchの販売を、在庫がなくなり次第終了すると発表した。日本のApple Storeでも、「在庫が無くなり次第終了」という表示が見える。 もともとiPodは音楽再生用デバイスとして登場したが、2019年に発売された第7世代iPod touchはA10 Fusionチップを搭載し、カメラも付いている。App Storeのアプリもほとんどが問題なく動く、言わばキャリア通信ができない低価格iPhoneである。 実際iPod touchを飲食店のオーダーシステムの一部として利用しているケースもあり、この販売終了で数年後にはシステムの入れ替えが必須となってしまったところもありそうだ。 筆者ももちろん歴代のiPodを使ってきたが、iPhoneをはじめとするスマートフォンのストレージ容量が拡大するにつれて、次第に使わなくなっていった。逆に今回の発表で、「ま
「流行はめぐる」とよく言われる。 言われるたびに思っていたが、「めぐる」ことがわかっているなら、最初から昔の流行に従っておけば話が早いのではないか。 昔から流行にはかなりうといタイプだったが、起死回生の必勝法を見つけてしまったかもしれない。 家にあるものを活用しつつ、昔の流行を参考にして、トレンディな存在に生まれ変わろう! 流行がどれくらいのスパンでめぐるのかわからない 昔の流行を知るために、やってきたのがここだ。 東京・神保町の古書街。アパレルショップは見当たらない。 「古本ならなんでもそろう」と言われるこの街で、私は昔の流行、いや、最先端のファッショントレンドを仕入れるのだ。 雑誌の古本専門店で、女性ファッション誌を3冊ゲットした。 古本屋に来てから気付いたが、「流行はめぐる」とは言うものの、実際にどれくらいの頻度でめぐるのかがわからない。しかたないので、とにかく古いファッション誌を買
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