北の燿星アテルイ 著者:高橋克彦 講談社文庫 講談社 2007年12月3日第14刷発行 行きつけのパスタ店のご主人に推薦された本。次に来たときには感想を聞かせてと言われては、読むまで行けないので読まねばなるまい、という冗談交じりの理由もありつつ、手に取った。 時代は、未だ朝廷の支配が関東までの頃、平安時代の始まる数年前から物語は始まる。場所は陸奥、といっても、どのあたりだろうと思っていたところ、踝祐吾さんに話したら地元だとのこと。正確には踝さんの故郷である岩手県で、アテルイの出身という胆沢は岩手県の南寄りに位置すると地図を描いて教えてくれた。思っていたより北だなあと感じた。 話は朝廷と蝦夷の戦いを描く。朝廷側でいう蝦夷討伐といえば征夷大将軍だが、上巻ではまだその職は登場しない。ただ、名前だけ登場する人物に、その職と合わせて名の知られている坂上田村麻呂がいる。 蝦夷の側では、あまり政治的な話