第140回芥川賞に決まった津村記久子さん(30)の「ポトスライムの舟」。選考委員の講評などから選考の経過を振り返る。 15日午後5時から始まった芥川賞の選考委員会には、作家で東京都知事の石原慎太郎氏ら9人が集まった。 今回は、昨年6月から11月末までに、新聞や雑誌などで公表された純文学の短編作品から候補に上がった6作品が対象。選考委員会では2時間近くにわたり、熱い議論がわき起こった。 選考委員の宮本輝氏によると、最初の投票で墨谷渉さんと山崎ナオコーラさん、吉原清隆さんが落選。続いて鹿島田真希さんが落ちた。残ったのが、津村記久子さんの「ポトスライムの舟」と田中慎也さんの「神様のいない日本シリーズ」。この2作について論議が重ねられ、「最終的にはある差をもって津村さんに決まりました」(宮本氏) 受賞作について宮本氏はまず、「底辺に近いつつましやかな生活をしている女性たちの日々の生活、人生がてらい