「ほんのまくら」フェアの文庫本。出だしの文がブックカバーにデザインされている=10日午後、紀伊国屋書店・新宿本店、吉本美奈子撮影出だしの文がデザインされたブックカバーを見て本を選ぶ客=10日、紀伊国屋書店・新宿本店、吉本美奈子撮影 ヒントは、ブックカバーに明朝体で印刷された本文の書き出しだけ。題名も作者名もわからない文庫本を100種類ならべたブックフェアが、予想外の反響を呼んでいる。ネットで話題になり、スマートフォンを手にした若者らが次々に来店。1日に約700冊売れる日もある。 「ああ、これだね、ここだったね。」「私は頬を打たれた。」――。東京・紀伊国屋書店新宿本店で開かれている「ほんのまくら」フェア。白いカバーに刷られた冒頭の一節が、目に飛び込んでくる。ラッピングされていて立ち読みはできない。買って開いて初めて題名と作者が分かる。 同店仕入課の伊藤稔さん(32)の提案。書店員6人が