【ソウル=豊浦潤一】米韓合同軍事演習に反発し、「戦闘態勢に入った」などの宣言を続ける北朝鮮で、最前線部隊からの相次ぐ脱走や艦船の座礁など軍紀の緩みが指摘されている。 北朝鮮の窮乏ぶりと、金正恩(キムジョンウン)第1書記の軍掌握が進んでいない証左といえそうだ。 韓国の聯合ニュースは12日、韓国政府筋の話として、韓国との境界に展開する北朝鮮軍の前線部隊でここ数か月間、脱走兵が例年の7~8倍に急増したと報じた。多くが下級兵士で食糧不足の中、訓練に耐えられなくなったとみられる。 北朝鮮は、例年12月に開始し、2月には終了する冬季訓練を、ミサイル発射と核実験のため国際社会の批判が高まった今年は3月以降も続けている。この結果、最前線部隊は、厳しい訓練と脱走兵捜索という「二重苦」にあえいでいるという。 また、昨年12月~今年1月の2か月だけで約10隻の北朝鮮軍艦艇が座礁事故を起こした。中には救助に向かっ