那賀町東尾の山中にある希少種・ジンリョウユリの県内最大の自生地が、ノネズミとヤマドリによるとみられる食害で壊滅的な被害を受けた。約1ヘクタールの約95%で球根や花が食べられた。隣接する区域でも3年前に被害に遭っており、保護に取り組む東尾ゆりを守る会の吉田修会長(82)=徳島市中昭和町1=は「このままでは自生地が消滅する。早急な保護策が必要で、力を貸してほしい」と訴えている。 この自生地では昨年の初夏ごろからノネズミとみられる食害の跡が増え始めた。ヤマドリも飛来するようになり、柔らかい芽や花が次々と被害に遭った。吉田さんは、鳥獣害対策として周囲に電気柵や高さ2~3メートルの防護ネットを設置し、見学者がいないときは犬を放していた。被害を確認した後には見回りの回数も増やしたが、止まらなかったという。 例年なら無数のピンクの花で彩られる山の斜面は、あちこちで土が掘り起こされ、球根を食べられたジンリ