ほとんど誰の顔にもいるダニは、どんなふうに生活し、私たちにどんな影響を与えているのだろうか。ナショナル ジオグラフィック別冊『禁断の世界 科学で解き明かす、見たくないけど見たいもの』から抜粋して紹介する。 顔ダニは皮膚のさまざまな症状を引き起こすとされてきたが、今ではとらえ方が変わってきている。(ILLUSTRATION by ARMANDO VEVE) 今この瞬間にも、何百匹、あるいは何千匹ものごく小さな8本脚の動物が、私たちの顔の毛穴の奥深くにこっそりすみついている。私の顔にも、あなたの顔にも、あなたの親友の顔にも、知り合いや恋人の顔にも、ほとんど誰の顔にでもこの生きものはいる。彼らはある意味、私たちに最も近いパートナーだ。 その生きものとはダニだ。体は小さいが、クモガタ類に属し、クモの仲間とされる。あまりにも小さいので肉眼では見えず、動き回っていてもその動きを感じることはない。そもそ