日本で唯一、「地震予知のための観測」を続けてきた公的機関・気象庁。その観測の歴史は40年近く、世界でも有数のデータとノウハウの蓄積を誇る。しかし、内閣府の南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループが「現在の科学技術では地震予知は困難」と発表して以来、「もう予知なんて無理ってことでしょ」「予算の無駄なんじゃないの」というあきらめと否定のムードが世間を覆ってしまった。はたして気象庁は地震予知のための観測をやめてしまうのか!? 今回は“防災の鬼”渡辺実が、気象庁の地震予知担当者を直撃する! 東京・大手町の気象庁本庁舎を訪れているチームぶら防。前回は、全国の地震・火山活動を24時間365日、リアルタイムに監視している防災の最前線、地震火山現業室を訪問した。 そこは日本で唯一、大震法(大規模地震対策特別措置法)という法律に基づいて、公的機関が行っている、東海地震予知のための観測の現場でもあった。
【福島慎吾】近く爆発するとも言われているオリオン座の1等星「ベテルギウス」が、一定の波長で見ると、30〜40年前より直径が2〜3倍にふくらんで見えることが、北見工大などの観測でわかった。爆発に関係しているのか、詳しい原因は謎だという。10日に仙台市で始まる日本天文学会で発表する。 北見工大の三浦則明教授らが、西はりま天文台(兵庫県佐用町)にある、なゆた望遠鏡を使って観測。地球の大気のゆらぎを特殊な統計処理で取り除き、高い解像度でベテルギウスを撮影することに成功した。 可視光のなかで緑色の波長帯で見ると、ベテルギウスの形は楕円(だえん)形にゆがみ、さらに同じ波長で観測された1970〜80年代の記録と比べると、直径が2〜3倍になっていた。この波長で観測すると、年老いた星の表面に増える酸化チタンを見ることができる。 三浦教授は「詳しいことはわからないが、この40年の間に何かが起きたことは確
アメリカはタリバン復権を後押しし、アフガニスタンの民意もそれを支えた 民主化が失敗した理由は何か。これからどうなるのか【アフガン報告】6回続きの(3)
自然科学研究機構 基礎生物学研究所 法政大学 東京大学 新領域創成科学研究科 植物細胞は1つの細胞の中に仕切りを作ることにより分裂します。基礎生物学研究所の研究グループ(村田隆准教授、野中茂紀准教授、長谷部光泰教授)は、法政大学(佐野俊夫准教授)、名古屋大学(東山哲也教授、笹部美知子特任助教(現・弘前大学准教授)、町田泰則教授)、東京大学(馳澤盛一郎教授)との共同研究により、仕切りができる過程を高解像度撮影することに世界で初めて成功しました。この成果は、6月17日に科学雑誌Nature Communicationsに掲載されました。 【研究の背景】 動物の細胞は2つにちぎれて分裂しますが、植物は1つの細胞の中に仕切りを作って分かれます。仕切りは細い中空の繊維(微小管)で編まれた「ゆりかご」(隔膜形成体)の中でできます(図)。細胞を2つに分けるため、ゆりかごは徐々に大きくなりますが、その過程
ポイント 魚が長期記憶として書き込まれた行動を思い出している時の神経活動を可視化 学習のルールが変更されると、その行動を思い出す時の神経活動パターンも変化する 環境の変化に応じて行動を選択し意思決定を行う神経回路を解明するモデルと期待 要旨 理化学研究所(理研、野依良治理事長)は、小型熱帯魚のゼブラフィッシュ[1]を用いて、魚が特定の行動を行おうと意思を決定する時に、大脳皮質に相当する領域の特定の神経細胞群によって保存されている行動プログラムが読み出される過程を可視化することに成功しました。これは、理研脳科学総合研究センター(利根川進センター長)発生遺伝子制御研究チームの青木田鶴研究員、岡本仁チームリーダーらによる成果です。 私たちは日常生活のなかでさまざまな行動の選択を行っています。例えば信号待ちでは、赤なら「止まれ」、青なら「進め」と判断します。これは、過去に同じような状況でどのように
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月14日、「JAXAの歩き方~公開データのウェブサイトカタログ~」を公開しました。人工衛星が取得した観測データや宇宙開発の様子などに関するWebサイトが、分類別にまとめられています。 ▽ http://www.jaxa.jp/archives/db/tebiki_j.html ▽ JAXAの歩き方~公開データのウェブサイトカタログ~(PDF) JAXAの歩き方は、「使いたいデータにたどり着けない!」「そもそもJAXAがどのようなデータを公開しているのか知らない」などの声に応えて作られました。 カタログでは、JAXAが提供するデータを公開しているサイトを「地球観測」「宇宙科学」などのカテゴリーごとに分類。それぞれのサイトについて、概要やURL、取得できるデータ例、関連する衛星などをまとめています。PDF形式でダウンロードできます。 文: 青山祐太郎 関連エ
デニス・ノーミル(Dennis Normile) 原文:Insistence on Gathering Real Data Confirms Low Radiation Exposures (Science 10 May 2013: Vol. 340 no. 6133 pp. 678-679) (翻訳 山形浩生) 東京: 2011年3月、福島第 1 原子力発電所での惨事が展開する中で、早野龍五は放射性物質の放出についてツイッター投稿を始めた。この東京大学素粒子物理学者は、次第に地域住民の被曝をめぐる論争にますます深く引きずり込まれるようになっていったのだった。当局がきちんとした事実を提供していないことに失望した早野は、学校給食の放射性セシウム検査を始めた。これは福島周辺の環境で最も量の多い放射性核種だ。そして、汚染食物を食べることで地元住民がどれだけ放射性核種を吸収しているか計測しようとし
ポイント 生物は多様な環境に対応するために細胞外物質(機能性膜)で覆われている。 細胞外物質やそれを模倣した薄い液膜に電子線などを照射することで、高真空中でも蒸発を防ぐ、より強力な「ナノ重合膜(ナノスーツ)」を発明。 生きた状態のままで、電子顕微鏡による微細構造観察が実現可能になった。 JST 課題達成型基礎研究の一環として、浜松医科大学の針山 孝彦 教授は、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の下村 政嗣 教授らと共同で、高真空下でも生命を保護できる生体適合性プラズマ重合注1)膜を発明し、生きたままの状態で生物の高解像度な電子顕微鏡観察に成功しました。 生物の体表は、多様な環境に対応するために細胞外物質(ECS)注2)で覆われています。しかし、電子顕微鏡観察で行われる高真空下のような極限状態では、細胞外物質は内部の物質の放出を抑制することができず、体積が収縮し表面微細構造は大きく変形し
医学や物理学などの研究に使われる電子顕微鏡は、観察するものを真空状態におく必要がありますが、生物を生きたままで観察できる新たな技術が開発され、小さな生物の行動の解明などにつながると期待されています。 電子顕微鏡は、光でなく電子線を当てて観察するため、対象を真空状態におく必要があり、生物を生きたまま、高い解像度で観察することができませんでした。 こうしたなか、浜松医科大学などで作る研究チームは、ショウジョウバエの幼虫などの体の表面にある物質に電子線を当てると、真空状態でも体内の液体が蒸発することなどを防ぐ薄い膜ができることを見つけました。 さらに、こうした物質を持たない昆虫でも、似た化学物質を表面に塗ることで同じように膜を作り出すことが分かり、電子顕微鏡で生きたまま観察することが可能になったということです。 研究に当たった浜松医科大学の針山孝彦教授は「生きたまま観察できれば、極めて高い倍率の
米オハイオ(Ohio)州クリーブランド(Cleveland)のプログレッシブ・フィールド(Progressive Field)球場で撮影された公式球とグラブ(2013年4月8日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Jason Miller 【4月11日 AFP】日本のプロ野球選手を分析したところ、顔の形からスポーツ選手としての才能をある程度予測できることが分かったとする研究が、10日の英国王立協会(British Royal Society)の専門誌バイオロジー・レターズ(Biology Letters)に掲載された。面長の人よりも、顔幅の広い人の方がホームランを打つ確率が高かったという。 研究を行った英ロンドン大学(University of London)の心理学者らは、2011年と2012年のシーズンにセントラルリーグの試合に出場したバッター104人の顔の幅と長さの比率(f
人が見た夢の内容を解読することに、国際電気通信基礎技術研究所が世界で初めて成功した。脳の活動を解析することで、7割以上の高い確率で的中させることができた。心理状態の可視化や精神疾患の診断など幅広い応用が期待される。米科学誌サイエンス電子版に4日、掲載された。 今回の研究成果は、多くの人が興味を抱く「夢の再現」に向けた大きな一歩だ。画像化は精度向上など課題は多いが、実現すれば医学や芸術など多様な分野に影響を与えそうだ。 人間はなぜ夢を見るのか、夢は何を意味しているのか-。多くの人が一度は抱いたことがある疑問だ。「夢判断」の著作で知られるフロイトなどの心理学者や脳科学者が解明に挑んできたが、夢の実体は今も謎の部分が多い。 今回の技術を使えば脳活動と合わせて夢の内容を記録でき、科学的な分析が可能になる。沖縄科学技術大学院大の銅谷(どうや)賢治教授(計算神経科学)は「脳科学研究の大きなテーマである
平成25年3月12日 東京大学大学院総合文化研究科 1. 発表者: 石原 秀至 (東京大学 大学院総合文化研究科広域科学専攻 助教・JSTさきがけ 兼任研究者) 澤井 哲 (東京大学 大学院総合文化研究科広域科学専攻 准教授・JSTさきがけ 兼任研究者) 2. 発表のポイント: ◆アメーバ細胞でみられるアクチン/イノシトールリン脂質シグナルの波は並進波、反射波、らせん波の3要素から構成されていることを定量的な測定と解析から明らかにした。 ◆波パターンの生成機構と、伸張・反転・回転からなる細胞変形の動態を、数理モデルシミュレーションにより明らかにした。 ◆細胞動態の背後にある自己組織化現象の詳細が明らかになることで、アメーバ状運動の制御と操作などへの応用が期待される。 3.発表概要: 「生物らしさ」を理解する上で、細胞の自発的な挙動やそのランダム性の起源は重要なテーマです。近年、動物、ヒトを
お探しのページが見つかりません お探しのページは削除されたか、一時的に利用できない可能性があります。 お探しのページのURLが正しいかどうかご確認ください。
研究の背景と経緯 「汝自身を知れ」「度を超すことなかれ」 この言葉はギリシャデルポイのアポロン神殿で七賢人が奉納した碑文と語られています。自分自身のことを正確に知ることは難しく、自分の性格や能力を過大評価する傾向があり、過信してしまうと失敗してしまう人間の本質を、古代哲学者は見抜いていたようです。人はなぜ自分自身のことを正しく認識せず、過信してしまうのでしょうか。 数多くの心理学研究によって、この特徴は健康な心の証であり、健常な人は自分のことを他人より優れていると錯覚することが明らかにされてきました。例えば、知能、技能、望ましい性格など、多くの人が自分は平均よりは上だと答える傾向があります。しかし、集団の大多数が平均より上になることはできません。他人より優れていると錯覚することで、人は自分の可能性を信じて未来への希望や目標に向かうことができると考えられています。 一方、気分が沈みがち
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く