何年か前から「プロ経営者」という言葉が使われるようになったが、その定義は実にあいまいだ。複数の企業でトップを経験した人を指すのか、MBAなど専門教育を受けた経営者を指すのか。 経営者は職業として認められているか 「プロ経営者」という言葉が多く聞かれるようになったのは数年前のこと。当時からこの言葉に違和感がありました。そもそも「プロ」とつける必要があるのか。プロ弁護士もプロ看護師もいない、職業を指す言葉に「プロ」は必要であるはずがないと思ったのです。 それでもなお、「プロ経営者」という言葉が人口に膾炙したのは、職業と見なされることが少なかった裏返しでしょう。社会人になって企業に入り、課長になって部長になって役員まで出世して、ついには社長になる。新入社員の延長線上に経営トップがあると認識すると、弁護士のような専門職としての経営者の存在感は薄くなります。 先ごろ弊社から発売した書籍『なぜあの経営