20代(1980年代生まれ)から70代(1930年代生まれ)までの15人のミュージシャンが「ロックンロールとの出会い」を語った本。とにかく面白い。一気に読み終えた。 ミュージシャンが自分自身の聴き手としての音楽体験を語るという点では、渋谷陽一による対談集『ロックは語れない』*1と共通しているけれど、「ロックに出会った日のこと」を中心に語られたこの本では、ロックに対する感情とロックとの関係がより濃密に語られている。『ロックは語れない』が「〈対象〉についての語り」の本だとしたら、『ロックンロールが降ってきた日』は「〈感情〉と〈関係〉についての語り」の本なのだと思う。だから、この本に収められたそれぞれの語りは、もう何十年も前のことを語っていてもそれがまるで昨日のことのように生々しく、かつみずみずしい。 本の帯には「一曲の音楽で人生を変えた人たちの物語」と書いてある。それぞれに個性的な15の物語で