「PC市場に一石を投じてきたブランド。関係者の多大な努力で大きなビジネスになったが、苦渋の決断をした」──「VAIO」ブランドで展開してきたPC事業の売却を発表したソニー。平井一夫社長は2月6日、「エレクトロニクス事業を回復させるため、ソニーとしてはモバイル領域ではスマートフォンとタブレットに集中すると判断した」と理由を説明した。 同事業を取得する日本産業パートナーズ(JIP)は、1月末にNECからNECビッグローブを買収することを発表した事業再生ファンド。VAIO事業はJIPが出資する新会社に移行し、「VAIO」ブランドを継続しながらPCの企画・開発から製造・販売まで行う。新会社にはソニーが5%を出資する意向だが、「スムーズな移行を支援するため」という立場。詳細は今後詰め、3月末までに正式契約を結び、7月1日付けで譲渡を実行する計画だ。 新会社は「VAIOの里」とも呼ばれる長野県安曇野市