2009年秋、スイスの小さな村ラコルビエールから、縁もゆかりもなかった土地・淡路島に一家で移り住んだ写真家の茂木綾子さん。スイスでは、湖のほとりのワゴン車に暮らしながら、生活・製作・交流を行うアーティストのコミュニティをつくり、淡路島では、廃校となった小学校でアートコミュニティ「ノマド村」を立ち上げ、そこで暮らしながらカフェを営んでいた。 それらの活動で共通しているのは、生活そのものが基盤となっていること。だから淡路島で暮らす一家のすぐそばにはいつも、みんなで取り囲む食卓があった。 3回にわたり茂木さんに淡路島を撮影してもらう「島の食卓」。誰と、どこで、どんなものを食べて生きていきたいか。食料自給率110%の淡路島の人々が、暮らしと向き合い新たに取り組む試みは、これからどんなふうに広がっていくのだろう。今回は、料理家のどいちなつさんとご主人の加藤賢一さん夫婦の食卓。 ゆっくりと、土を耕しハ