週150分程度の運動が理想だが…… 適度な運動は体にいい、これは常識だ。実際、運動にはさまざまな病気を防ぐエビデンス(科学的根拠)が報告されている。 例えば、2万7055人の女性を運動量(1週間の消費カロリー)で5つのグループに分けて、10年以上追跡した米国の研究がある。心筋梗塞、狭心症、大動脈解離など心臓病の発症リスクは運動量が多いほど低く、最も運動量の多い人たちの発症率は、最も少ない人たちよりも41%も低かった(Circulation. 2007 Nov 6;116(19):2110-8)。 前回も紹介したように、がんの予防効果もある。約144万人を対象にした米国の調査によると、ウオーキングなどの運動を週5日以上行う人は、がんの発症リスクが約20%低い。食道がんをはじめ、13種類のがんで効果が確認されている(JAMA Intern Med. 2016 Jun 1;176(6):816-