妹はラスベガスで結婚式を挙げた。もちろんシャレで。日本でちゃんと結婚した後、新婚旅行がてら、ドラマでよくある「ラスベガスで浮かれた勢いでウェディングチャペルで式を挙げちゃう」っていうのをやったのだ。素面で。さすがわが妹だ、と思った。 その妹が帰ってきて言ったのが「人間なら一度はラスベガスに行った方がいい」という名言だった。人間なら、って。 ならば、と行ってみたら納得した。こりゃたしかにすごい。イカれてる。
原爆被爆者で、何十年も被爆者の地位向上などのため活動し、 署名活動をしたり、デモに参加したという祖母。 滅多に他人の批判や悪口を言わなかったけれど、そんな祖母が生前に一度だけ、 明確に「許せなかった」話をしてくれたことがあった。 テレビで被爆者のドキュメンタリー映像を見ていた時のこと。 なんとなく、「やっぱり被爆者手帳って嘘ついて持ってる人結構いるの?」と聞いてみた。 原爆被爆者に対する補助はかなり手厚く、年金ならぬ被爆者に対する援助のために 死にかけの親を何とか生かしてくれと頼む家族もいるくらいの代物である。 祖母はあっさりと、「そりゃそうよ」と言った。 「あの人原爆に遭うてないよねって人もおったよ。でも証人がおれば手帳貰えたからね」 「なんという税金泥棒。そういう人ムカついたりせんかった?」 「そりゃ良い気分はしなかったけど、でもねえ、もっと許せん人がおったけえね」 おばあちゃんでも許
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