もう一度現地で犠牲者を慰霊したい――。太平洋戦争の激戦地となったサイパン島から生還した岡崎輝城さん(99)(香川県坂出市)の願いは、コロナ禍で今年も阻まれた。同じ部隊で今も生存が確認されているのは岡崎さん一人。「誰かが行かなければ、多くの命が失われたことが忘れ去られてしまう」。来年こそはと再訪を誓う。 【動画】「#しんどい 君へ」沖田X華さんからメッセージ 「一気にのみ込まれてしまう」。1944年6月15日、22歳の陸軍通信兵だった岡崎さんは、水平線が見えないほど続々と押し寄せる米軍の上陸用船艇を見つめ、絶望感にかられた。南洋の最重要拠点だったサイパン島に、米軍が上陸を開始した日だ。