デスクトップ環境(クライアントPC)を仮想化し、サーバー上で稼働させる「デスクトップ仮想化」――。この仮想化技術が話題になり始めてから、もう2、3年になる。国内でも大手企業をはじめとする先進ユーザーでの導入実績はあるが、リーマンショックの影響もあってか、まだ広く普及している状況とは言えない。 だが今年は、多くの企業がデスクトップ仮想化の検討・調査を始め、先行ユーザーの導入効果に注視しているのではないだろうか。背景には2つの要因があると考えている。まず、Windows XPパソコンのリプレースを検討中の企業で、デスクトップ仮想化を選択肢の1つと考えるケースが少なくないこと。そして、デスクトップ仮想化の導入に追い風が吹いていることである。 ただ現状では、「クライアントPCを、どのように仮想化するのがよいのか?」という声が多い。仮想化する際の基礎的な仕組みはサーバー仮想化となんら変わらないが、デ
株式会社ITコアは10月1日、クラウド仮想化ホスティングサービス「GrowServer2010(以下、GS10)」を発表した。11月1日より提供開始する。 GS10は、先進的な仮想化技術を採用したクラウド仮想化ホスティングサービス。「VMware vSphere 4」、データコアのストレージ仮想化ソフト「SANsymphony」、シーゴのI/O仮想化コントローラ「Xsigo VP780」を使用することで、サーバー・ストレージ・I/Oの全層で仮想化を行ったのが特徴。ITコア 代表取締役社長の山田敏博氏によると「全層仮想化したホスティングサービスは世界初」という。また高速化・高信頼化に加え、従来サービス「GS9」の1/5の低価格を実現したのも特徴だ。 ■サーバー、ストレージ、I/Oの全層を仮想化 サーバーの仮想化にはVMware vSphere 4を採用。ハードウェアには、6コアOpteron
米Microsoftは8月28日(現地時間)、同社の仮想化ハイパーバイザ製品の最新版「Hyper-V Server 2008 R2 Version 1.0」を公開した。同社サイトから無償ダウンロードが可能になっている。 Hyper-V Server 2008はx64プロセッサを搭載したスタンドアローン環境向けのハイパーバイザで、この上で複数のOSインスタンスを動作させることが可能。製品のカテゴリ的にはVMwareのESXiがライバル製品となる。両製品ともにスタンドアローンでの動作が前提で、主に中小企業環境や仮想化環境導入のエントリー製品の市場を想定している。 下記がHyper-V Server 2008 R2と前モデルを比較したスペック表だ。全体にスケーラビリティが向上しているほか、新機能としてLive Migrationと高可用性(High Availability)サポートが行われてい
株式会社大塚商会は5月14日、無償でサーバーの稼働状況を分析する「仮想化 簡易アセスメントサービス」と、成功報酬型で物理サーバーを仮想環境へ移行する「P2V作業実施サービス」を発表した。 仮想化 簡易アセスメントサービスは、ユーザー企業の20台までのサーバー稼働状況を無償で分析し、レポートを作成、同社エンジニアが説明を行うもの。仮想環境にした場合の参考例なども説明し、より詳細な調査・分析を行う有償コンサルティングサービスも別途用意している。 対象OSは、Windows NT 4.0/2000 Server/Server 2003/Server 2008、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 2.1/3.0/4.0/5.0。平均CPU使用率、メモリ使用量、平均ディスクI/Oといったログ情報を、8時から20時まで3分の間隔で、2週間収集する。 一方のP2V作業実施サービ
次期クライアントOS「Windows 7」の製品候補(RC)版の開発者向け提供が始まった2009年5月1日,Windows XPのアプリケーションをWindows 7のデスクトップに統合する仮想化機能「Windows XP Mode」のベータ版が合わせてダウンロード可能になった(関連記事)。XP Modeは互換性維持の切り札となるのか。基本的な操作を試した。 XP Modeの利用には,Windows Virtual PCベータ版と,XPの仮想マシン・イメージの2パッケージをインストールする必要がある。双方をインストールして再起動すると,スタート・メニューに「Windows Virtual PC」が現れる。初回起動時は仮想マシンの初期設定が始まり,Windows XPの新規インストール時と同じセキュリティ設定画面などが表示される(画面1)。 「仮想マシン」と「仮想アプリケーション」の2形態を
日本発の仮想マシン・ソフトウエアBitVisor 1.0が2009年3月30日,オープンソース・ソフトウエアとして正式リリースされた。政府の情報セキュリティ基本計画「セキュア・ジャパン」の施策の一つとして,政府機関への導入を目指し開発した,暗号化機能などを備える仮想マシン・モニターである。 開発を担当したのは筑波大学を中心とした産学のチーム「セキュアVMプロジェクト」。そしてCPUの仮想化を行うコア部分を一人で開発したのは,3年前のプロジェクト発足当時は大学を卒業したばかりの大学院生だった榮樂英樹氏である。榮樂氏は,中学生でIBM PCのエミュレータを,大学2年生で仮想マシン・モニターを作ったという経歴を持つ。 製品化に備えすべて独自開発 BitVisorは,クライアント・パソコンからの情報漏洩を防ぐ目的で開発されたクライアント・パソコン向けの仮想マシン・ソフトウエアだ。OSより下の,仮想
米VMwareは米国時間2008年11月10日,携帯電話機向け仮想化プラットフォーム「VMware Mobile Virtualization Platform(MVP)」を発表した。この技術により,携帯電話機ベンダーが製品の市場投入までの時間を短縮できるほか,エンドユーザーは1台の携帯電話機を仕事用と個人用に使い分けられるようになるとしている。 VMware MVPは,携帯電話機に組み込まれるソフトウエア層。VMwareが2008年10月に買収した仏Trango Virtual Processorsの技術を基盤としている。現在,同社は,メモリー量などリソースが限定される携帯電話端末上で効率的に機能するように技術の最適化に取り組んでいる。 VMware MVPはハードウエアを仮想化するため,携帯電話機ベンダーはハードウエアの違いを気にせずに幅広い携帯電話端末上に同一のソフトウエア・スタック
Windows Server 2008の仮想化機能「Hyper-V」のダウンロード提供が開始された。仮想化機能がWindows Server 2008のOSレベルで提供されることで、複数のサーバーを1台のハードウェアに統合したり、レガシーサーバー環境を新しいハードウェアに移行することが容易になる。レガシーシステムをそのまま使い続けるのではなく、コストパフォーマンスに優れた新しいサーバーハードウェアに移行しても、トラブルなく使うことができるというメリットがある。今回は、Hyper-Vの概要を紹介する。 ■ ハイパーバイザ方式を採用したHyper-V Hyper-Vは、今までマイクロソフトがリリースしていたVirtual Server 2005とは、根本的にアーキテクチャが異なっている。 Virtual Server 2005は、ホストOSとなるWindows Server 2003上に仮想環
VMware ESXiを無償にした理由は三つある 米ヴイエムウェア 製品・ソリューション担当 バイスプレジデント ラグー・ラグラム氏 仮想化のマーケットリーダーであるヴイエムウェア。7月22日(米国時間)に発表した「VMware ESXi無償化」のニュースは、ユーザーやベンダーに大きなインパクトを与えた。この時期、なぜ無償化を進めたのか。「仮想マシンこそがアプリケーションを稼働させる最適な場所である」。こう主張する米ヴイエムウェア 製品・ソリューション担当のラグー・ラグラム バイスプレジデントに、今後の製品戦略を含めて聞いた。 (聞き手は森山 徹=日経コンピュータ) なぜ今、VMware ESXiの無償化に踏み切ったのか 理由は三つある。最初に、仮想化をすべての場所で使ってもらいたい、という私たちのビジョンがある。これまでも「VMware GSX Server」などを無償にした経験がある。
Linux推進団体のLinux Foundationは米国時間2008年8月6日,仮想化技術の米VMwareが同団体に加盟したと発表した。これに伴い,VMwareは仮想マシン・モニターとゲストOSとの間の標準インタフェースである「Virtual Machine Interface(VMI)」をオープンソースとして提供するほか,Linuxカーネルのコミュニティなどと協力してLinuxカーネル向けのソースレベルの仮想化インタフェース開発に取り組む。 この発表に際し,VMwareで製品/ソリューション担当副社長を務めるDan Chu氏は,「VMwareの仮想化技術を利用してLinux環境を稼働させる組織が増えている。Linux Foundationに加わることで,顧客ニーズにより効果的に応えられるようになるだろう」と述べた。 また,Linux Foundationの上級ディレクタを務めるJim
米Oracleは8月6日(現地時間)、仮想化環境のOracle VM向けのテンプレート提供を発表した。テンプレートにはOracle DBなどのアプリケーション環境がプリインストールされており、VM導入後すぐに利用開始できるというもの。同社によれば、今後もOracle製品と非Oracle製品を問わず、Oracle VM向けのテンプレートを拡充していく意向だという。 今回提供が開始されるのは、「Oracle Database 11g」「Oracle Enterprise Manager」「Oracle Siebel CRM 8」「Oracle Enterprise Linux」の4製品のテンプレート。Oracle VMの環境にこれらテンプレートを適用することで、すぐに当該のアプリケーションの利用が開始できる。Oracle VMならびに同テンプレートの詳細とダウンロードについては、Oracle
米ヴイエムウェアは2008年7月22日(米国時間)、同社のサーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」を無償化すると発表した。決算発表の席上、ポール・マリッツ 最高経営責任者(CEO)が口頭で説明。来週にも正式発表するとみられる。 VMware ESXiは同社のサーバー仮想化ソフトの最廉価版。これまで6万4000円(2CPU、オンライン販売の参考価格)で販売してきた。管理コンソールを省略しハイパーバイザーに機能を絞り込んであるため、32Mバイトとコンパクト。この特徴を活かし、VMware ESXiを不揮発性メモリーなどに格納した“仮想化”組み込みサーバーを、NECやデルなどが提供している。 無償化に踏み切った理由を、ヴイエムウェアの三木泰雄 代表取締役社長は「これまで進めてきた仮想化インフラを世に広めようという戦略の一環。ESXiはESXよりも扱いやすいし、安定感も増してきたので、無償利
米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2008年7月10日,米国防総省(DoD)の国防情報システム局(DISA:Defense Information Systems Agency)に対してクラウド・コンピューティング基盤整備のための技術を提供すると発表した。 DISAは,各種機関や職員および兵士を支援するためのシステム,通信環境,ストレージなどの構築を手がけている。今後,HPの技術を用いて,単一のインタフェースでリモートからテストや開発が可能なシステムを展開する。 HPがDISAに提供するのは,ソフトウエアの「HP Operations Orchestration」「HP Server Automation」「HP Service Manager」「HP Operations Manager」「HP Systems Insight Manager」「ProLiant Esse
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