文/鈴木隆祐 ■オタク系開成生の根城『フィレンチェ』で名物ママの繰り出すザ・喫茶洋食に癒される。 開成高校といえば、押しも押されもしない日本の私学の雄である。高校からも受験でき、1学年400名というスケールメリットもあるが、東大合格者はこの10年、150名を下回ったことはなく、一番多い年で2012年の203名。卒業生の半数に達するとは驚きだ。 いわゆる御三家のうち、麻布や武蔵には制服も校則による拘束もない。一方、開成はガリ勉集団と誤解されがちだが、制服着用こそ義務づけられていても、生徒の自主自律を重んずる点では似たようなものだ。それは卒業生の取材を通じてもつかんでいる。昨今の代表的OBであるマネックス証券の松本大さんなど、そんな誤解を解きたいのだと、インタビューにも応じてくれた。 「調べたんだけど、ぼくの通った喫茶店なんかはみんななくなっちゃったね。そういや、連絡網で閉店情報が届いて、駆け