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文学とnoteに関するhhasegawaのブックマーク (6)

  • TVアニメ『回復術士のやり直し』が提示する凌辱のアイロニー:暴虐の彼方に広がる普遍性を求めて|髙橋優

    はじめに もしサドが十八世紀に生れなかったならば――つまり信仰がもっとも俗的なものに覆われ、無力な形式と堕した時代に生れなかったならば、サドは基督者であったかもしれぬ。なぜならば後年、彼が探求したものの一つは肉慾と悪を通しての永遠だったからである。サドの魂はたえず、しびれるような魂の陶酔と、この陶酔が永遠にいわゆる神への没入の中に続くことをねがっていた。もし永遠と陶酔が基督教の中に発見されていたならば、彼は烈しい信仰者となったかもしれぬ。 (遠藤周作「サド伝」『遠藤周作文学全集 第十一巻 評伝Ⅱ』新潮社、2000年、12頁) 「問題作が宣戦布告!? 最強ヒーラーの復讐譚が禁断のTVアニメ化!」 2021年3月に放送が終了したTVアニメ『回復術士のやり直し』の公式ツイッターアカウントはこのように喧伝していた。作は「復讐」と称した露悪的な暴力・凌辱描写を前面に打ち出した作品となっており、地上

    TVアニメ『回復術士のやり直し』が提示する凌辱のアイロニー:暴虐の彼方に広がる普遍性を求めて|髙橋優
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    hhasegawa 2021/05/03
    「サディスムなる状態は無信仰者の魂においては起り得ない」というユイスマンス『さかしま』の洞察から出発し、漫然と悪趣味な凌辱ポルノと思われている『回復術士のやり直し』に「普遍性」への回路を見いだす論考。
  • TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程|髙橋優

    TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程 (2023年7月8日追記:過去に執筆した文章を読み返し、一部の表現に反省すべき箇所があったと判断したため、文に修正を加えました。) はじめに性産業におけるサービスの提供者とサービスの受益者の相互の軽蔑の度合いは、たいてい、ぼったくりのブティックに予想されるそれよりもはるかに強力である。 (デヴィッド・グレーバー(酒井隆史/芳賀達彦/森田和樹訳)『ブルシット・ジョブ:クソどうでもいい仕事の理論』岩波書店、2020年、44頁) 2020年9月、TVアニメ『彼女、お借りします』第1期の放送が終了した。作に関する評価は賛否両論の様相を呈しているが、作が雨宮天の代表作として挙げられるべき傑作となったことは否定できないだろう。作が世に問われたことによって、『モンスター娘のいる日常』(2

    TVアニメ『彼女、お借りします』が投げかけ続ける問題:疑似恋愛商売の深淵と丸谷才一「花柳小説論ノート」の射程|髙橋優
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    hhasegawa 2020/12/01
    「レンタル彼女」が題材の『彼女、お借りします』を、丸谷才一を補助線に、疑似恋愛商売を扱う花柳文学の後継と位置づけ、ストーカー化(近松秋江)や刃傷沙汰(『籠釣瓶花街酔醒』)と紙一重の「深淵」を見る論考。
  • 外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(もくじ)|外山恒一

    【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 大手出版社が粗製濫造している軟弱ヘナチョコ文化人どもの順列組み合わせ的な対談などすべてかすんでしまう「外山恒一×藤村修」の時事放談シリーズの第3回である。 例によって古いもので、2016年12月3日におこなわれた対談のテープ起こし(紙版『人民の敵』第27号に掲載)だが、古くなっても面白いのがあらゆる外山コンテンツの強みである(すでに8年前の『デルクイ』創刊号とかに載ってる対談・座談会だって引き続き面白いんだから、たかだか2、3年で古びてしまうわけがない)。 参考までに当時の状況を簡単におさらいしておくと、対談の約1ヶ月前、2016年11月8日にトランプが米大統領選に勝利という衝撃の展開が起きている。他にこの年の国際的な事件としては、1月に台湾の総統選挙で民進党の蔡英文が当選、4月にパナマ文書の流出、6月にイギリスの国民投票でEU離脱決定などがあり

    外山恒一&藤村修の時事放談2016.12.03「“総しばき隊化”するリベラル派」(もくじ)|外山恒一
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    hhasegawa 2019/10/10
    しばき隊とヘサヨの対立は『敗戦後論』論争の反復で、前者が加藤、後者が高橋に相当するという見立て。私見では、エゴイズムをめぐる星菫派論争までさらに遡れる(https://bit.ly/35gHb2o)。
  • 絓秀実氏との対談(2014年9月12日)・もくじ|外山恒一

    【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 2014年10月に刊行した紙版『人民の敵』創刊号に掲載したものである。対談は東京で2014年9月12日におこなわれた。 外山がおこなう対談企画は往々にしてそうなのだが、この人と“雑談”すればどーせ面白いものになる、という確信のもと、何のテーマも決めずに行き当たりばったりでとりあえず録音してみる、というものが多く、絓氏とのものはとくにその傾向が強い。したがって、総タイトルのつけようがない。 絓氏といえば日を代表する知識人であるから、話題があちこちに飛びまくる正真正銘の“雑談”とはいえ、情報量はとんでもなく多い。国際的な大知識人からFラン国家・日の小知識人、世間一般にはまったく知られていないだろう老若男女の現場活動家について、絓氏はまさに“何でも知ってる”んじゃないかと思わせるような博識ぶりで、しかも話の切り口は高尚だったり下世話だったり、高尚かつ

    絓秀実氏との対談(2014年9月12日)・もくじ|外山恒一
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    hhasegawa 2019/10/09
    柵瀬宏平氏の名が出ている。「おれの自主ゼミにずっと来てた人で、[…]いわゆる活動家ではなかったけど、存在として活動家であるというような人だった」駒場寮『資本論』ゼミのことはご本人からうかがった覚えが。
  • 『彼女は頭が悪いから』への反応をめぐる考察|ミザリ|note

    12月12日のブックトークについて、ツイッターで様々な言説が飛び交っています。私も参加した身として、ツイッター上の議論が様々な誤解と分断を含んでいることにもやもやし、整理したいと思い、この記事を書きました。 このレポートはとてもよくまとまっていて素晴らしいのですが、私に見えたものとはずれているところもありました。以下は、そのずれがどうして生じたのかについての考察でもあります。 私は、この小説に対する反応を、この図のように分類して理解しています。 ブックトークの登壇者は大まかに言って①②の人たちです。その中で、①の中でも超左上に位置する瀬地山先生、①に位置するその他の東大教員たち、②に位置する姫野先生と担当編集者、①と②の真ん中に位置する小島慶子さん、というふうに、私は認識しました。 一方、聴衆の側は、この表のすべてにわたっていたでしょう。ただ、このイベントのテーマとしては ・性の尊厳、セク

    『彼女は頭が悪いから』への反応をめぐる考察|ミザリ|note
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    hhasegawa 2018/12/16
    「彼の怒りは『この小説は、東大生の性差別意識という実在する問題を単純化しすぎている』という怒りだと理解しました」文学史的には、瀬地山発言は「俗情との結託」論争の大西発言の延長でとらえるべきということ。
  • 『彼女は頭が悪いから』ブックトークに参加して見えた「東大」という記号の根深さ|はままり

    東大で開催された、姫野カオルコ『彼女は頭が悪いから』ブックトークに参加しました。正直、あまりにもモヤモヤする展開で、まるでこの空間自体が「彼女は頭が悪いから」のテーマを再現しているようでした。 今回のブックトークでは、2016年に起きた東大生による強制わいせつ事件に着想を得たフィクション小説『彼女は頭が悪いから』の内容から、以下のようなテーマで話す場だと告知されていたので足を運びました。(以下、告知文章より引用) ・性の尊厳、セクシュアル・コンセントとは?(性暴力事件の再発防止のために何が必要か) ・「学歴社会」と性差別について ・「東大」というブランドとの付き合い方、向き合い方感想としては、もっと上記の内容に沿った話をしてほしかったです。イベントを企画された林香里教授が開会の挨拶で、 「東大にとって、ジェンダーや性暴力の話題に関して外の空気に触れることは大事。どうしてこういうことが起こる

    『彼女は頭が悪いから』ブックトークに参加して見えた「東大」という記号の根深さ|はままり
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    hhasegawa 2018/12/14
    批判されている某教授の発言は実はそこまで妙でもなく、モデルが自明なリアリズム系フィクションでどこまで事実を改変ないし誇張しうるかの問題である。「俗情との結託」論争や『石に泳ぐ魚』訴訟などとも関連する。
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