600ページ超もまったく苦にならず そもそも私は著者を知らなかった。同業の友人がとても力を入れて編集し、解説が『日本会議の研究』の菅野完さん。それで本書を手に取ったのだが、略歴を見ると、アヤシイことこの上ない。 『改訂版 全共闘以後』(外山恒一 著 イースト・プレス) 1970年生まれ。逮捕歴あり。獄中でファシズムに転向。2007年の都知事選に出馬し、「政府転覆」を呼びかけた政見放送が話題になる。それによって「キワモノ」イメージが定着してしまい、そのイメージからの脱却に苦しむ……とあるけれど、やっぱりキワモノじゃないでしょうか、失礼ながら。 しかし、しかしだ。 日本の学生運動は、1968年の全共闘運動をピークとし、72年の連合赤軍事件を境に急速に退潮、以後は「シラケでバブルでオタクでサブカル」な時代が続き、若者は一貫して政治的に無関心だったと語られる。しかしそれはまったくの偽史であり、若者