モノがあふれ「モノより経験」の価値が重視される世の中の流れを受け、「所有」よりも「時間」を使う贅沢へ意識のシフトが進んでいます。 米作家エリザベス・カリッド-ハケット氏の著作「The Sum of Small Things: A Theory of the Aspirational Class」によると、昨今、米富裕層の消費スタイルが変わり、家事サービスなどを利用して時間を生み出し、「オペラに行ったり、旅行に行ったり」しているといいます。 ところで、なぜここで真っ先に「オペラに行くこと」が挙げられるのか疑問に思う人も多いのではないでしょうか? 西欧では、貴族が力を持っていた時代から、功成り名遂げた人物は教育・健康・芸術に心を砕くのが社会的尊敬を勝ち得る条件でした。つまり、高潔な精神のあり方の発露として、パトロン活動があるとみなされていたのです。それは今も変わらず、だからこそ社会的エスタブリ