2014年6月16日 (月) 連載 許光俊の言いたい放題 第232回 マゼール、天上の境地 連休も終わり、ようやく杉花粉の季節も過ぎ去った。とはいえ、大気中の汚染物質、豪雨、湿気という新たな不快要素が増しつつある。 この春はいろいろなことがあった。いまだ続いているSTAP細胞騒動、韓国船の悲惨きわまりない沈没・・・。それに先立って猪瀬前都知事もそうだったが、まさに天国から地獄へという運命の急転がいくつも報道された。人間の愚かさが端的に表れてしまうような事件が続いた。 そのせいで早くも忘れられつつあるようだが、音楽界にとって衝撃的だったのは何をおいても佐村河内事件に違いない。かくいう私もすっかりテレビにくぎ付けになったひとりである。まさかひとりの「作曲家」の記者会見が、CMまで省略して1時間も放送されるとは・・・平和といえば平和、文化的といえば文化的。ある意味ではこの人物にとって人生で最大の