物質・材料研究機構の長谷川源ポスドク研究員と桑田直明主幹研究員らは、全固体電池のリチウムイオン移動は電解質の粒界が抵抗になっていることを突き止めた。マイナス100度C以下に冷やしてリチウムイオンの動きを極めて遅くしたところ、粒界でリチウムイオンの濃度差ができる様子を観察できた。拡散係数は粒界で1万分の1以下になる。全固体電池開発に知見を提供していく。 2次イオン質量分析法(SIMS)を低温観察に応用した。リチウムイオンがほとんど移動しない温度でリチウムイオンの分布を測定する。 リチウム同位体を酸化物電解質の端から導入して拡散する様子を観察した。 すると粒界に沿ってイオン濃度が変わっていた。電解質粒子内部ではイオンは高速で動くものの、粒界が抵抗になる。粒内と粒界では拡散係数が5ケタ変化すると見積もられた。 電池のシミュレーションがより正確になる。イオン拡散を妨げない粒界を設計できれば全固体電