日本の商用インターネットの本格的な普及は、1994年末に発足し1995年の4月からサービス提供を開始した東京インターネット(株)(以下Tnetと略称することがある)の存在抜きには語れないであろう。それまでは、日本の第1号ISPとして 1993年にサービス提供を始めていたインターネット・イニシアチブ(株)(以下、IIJと略称する)が事実上唯一のISPビジネスにおける事業体であった。 一種の独占的な高価格料金がまかりとおり、これへの価格破壊線を仕掛けてインターネット接続の一般大衆市場を開拓したのがTnetであった。 ここでIIJについて少々長くなるが以下に概説する。米国と同様に日本においても、インターネットは学術研究機関ないしは研究開発企業が個々のネットワーク(学内LAN、研究LAN、社内LAN)を自己の責任において相互接続(正確にはルーティングをふくむ IP相互接続)しあう中心のない自立分散