(英エコノミスト誌 2012年10月6日号) 迎合的なマスコミに後押しされ、一握りのナショナリストが日本以外にまで危険なインパクトを与える可能性がある。 第2次世界大戦を終わらせた敗北以来、日本はアジアの平和と繁栄の強力な原動力となってきた。とりわけ対外支援では日本は優に一番寛大な国で、貧しい近隣国が貧困から抜け出すのを助けてきた。 日本が近隣諸国から浴びせられる罵りの言葉からは、そんな事実は窺い知れないだろう。しかも、非難の対象は、数千万人のアジア人が命を落とした1945年までの日本の侵略行為だけではない。日本を中傷する人々は、日本の帝国主義は一度として消滅したことはなく、単に卑劣な手口で隠され、復活の機会を窺っているだけだと言う。 この主張はナンセンスだ。確かに音はけたたましいが、黒い「街宣車」で軍歌を鳴り響かせながら東京を走り回る右翼の輩はごくわずかだ。それでも時折、国家主義の政治家