元大統領の衝撃の告白 米国のビル・クリントン元大統領が5月4日、ニューヨークでの講演で「ロシアによるウクライナ侵攻の可能性」を2011年にロシアのウラジーミル・プーチン大統領から直接、聞いていたことを明らかにした。米国は、なぜ戦争が起きる前にしっかり対応しなかったのか。いや、できなかったのか。 戦争開始から1年以上も経ったいまになって、こんな話が飛び出すとは、まったく驚きだ。クリントン氏はもちろん、歴代米政権がプーチン氏の野望をあまりにも過小評価していた証拠である。「リベラリズム(理想主義)の失敗」と言ってもいい。 クリントン氏はいったい、プーチン氏から何を聞いていたのか。 5月5日付の英「ガーディアン」によれば、クリントン氏は2011年にスイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラムでプーチン氏と会談した。プーチン氏はそこで、ウクライナとロシア、米国、英国が1994年に結んだ「ブダペスト覚書