くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事象の背後にある「情報戦」を読み解く。 バックナンバー一覧 リオ市民を激怒させ
記者会見に出席した国際オリンピック委員会のジョン・コーツ調整委員長(2018年9月12日撮影)。(c)Behrouz MEHRI / AFP 【9月13日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は12日、2020年東京五輪の大会組織委員会が、アスリートの暑さ対策としてサマータイム(夏時間)導入を検討していることについて支持する姿勢を明らかにした。 IOCのジョン・コーツ(John Coates)調整委員長は、日本列島を猛暑が襲ったことを受けて安倍晋三(Shinzo Abe)首相が先月、大会期間中のサマータイム導入を要請したことに賛成するか問われ、明確な答えを示した。 記者会見で「国内での議論を見守っている」と話したコーツ氏は、マラソンなどの競技が暑さがましな時間帯に行われるようになったことを受け、「われわれは日本の暑さにしっかりと注意を払っている。それは第一にアスリートの健康を考慮しての
2020年東京五輪・パラリンピックのボランティア募集期間(9月中旬~12月上旬)を控え、主力と見込む学生を十分に確保できるのかとの懸念が関係者の間で広がっている。「10日以上の活動が基本」「宿泊は自己手配、自己負担」といった条件が厳し過ぎるとの指摘があるのに加え、学生にとって2年後の予定が見通しにくい事情があるからだ。東京大会で必要なボランティアは大会組織委員会、東京都の募集分を合わせ、11万
東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の森会長は、安倍総理大臣と総理大臣官邸で会談し、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。 そのうえで森会長は「マラソンなど一部競技の日程を朝早くにしたが、それだけで異常な暑さに耐えられるのか。抜本的な暑さ対策を考えなければならない」と述べ、大会期間中の暑さ対策の一環として、夏に生活時間を早める「サマータイム」の導入を検討するよう要望しました。 森会長によりますと、これに対し安倍総理大臣は「一つの解決策かもしれない」と述べたということです。 会談のあと森会長は、記者団に対し、「安倍総理大臣は非常にまじめに聞いてくれた。2020年東京大会を契機にサマータイムが実現すれば、大会の大きな遺産になるのではないかと思う」と述べました。 東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会は、今月決定した
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大会組織委員会が公表したボランティアの募集要項案の宿泊費などが自己負担となっていることに批判があったことなどを受けて、ボランティアの在り方などを有識者が検討する初会合が開かれ「やりがいをわかりやすくPRしていく必要がある」といった意見が出されました。 組織委員会は、ことし3月、8万人を募集する大会ボランティアについて、1日の活動時間が8時間程度で交通手段や宿泊場所は各自が手配し、費用も自己負担とするなどの募集要項の案を公表しましたが、ネット上では「こんな条件ならやりたくない」といった批判の声などが上がっていました。 こうしたことを受けて、ボランティアの在り方などを有識者が検討する初会合が都内で開かれ、会議では「募集にあたってはボランティアのやりがいをわかりやすくPRしていくことが必要だ」といった意見が出されたということです。 組織委員会は
東京都大田区の町工場の経営者らが集まって五輪出場を目指す「下町ボブスレープロジェクト」。平昌冬季五輪で「下町ソリ」を使う契約を結んだジャマイカチームは、最終的にラトビアのBTC社製ソリを使った。 なぜ下町ソリは採用されなかったのか。ジャマイカチームは走行テストでBTC社製より2秒遅かったことを理由の一つに挙げたが、2台の条件が違いすぎ、正確な比較だったとは思わない。だが、差はあった。取材で見えてきたのは、ソリを製作する力ではなく、ものづくり志向を超えた、乗り手への「共感力」の差だ。五輪を前に、100分の1秒を縮めようと戦う選手やコーチに信頼してもらえなかったことが、残念な結果を招いた要因ではないか。
「インフラが間に合わないのでは」「国民の半数が無関心」など、事前には成功が危ぶまれていた平昌五輪。日本人選手の活躍もあり、テレビ観戦をしている限りは大成功に終わったように見えるが、実際のところどうだったのか? 取材パスもなく限られた経費で現地入りした竹田記者が、肌で感じた平昌五輪をレポートする。 さすがIT大国。選手団にはスマホを配布 2月8日から25日まで、18日間に渡る平昌五輪が終了した。これから10日間ほどのインターバルをはさんで、3月8日からパラリンピックが始まるが、とりあえずひと段落だ。 僕は、10日間ほどソウルに滞在し、KTX(韓国高速鉄道)でカーリング会場のある江陵に通って取材を重ねてきたが、僕の周辺に限って言えば、特に大きなトラブルはなかった。 KTXと観戦チケットの予約にやや時間を費やしたが、それは単純に人気があって入手するのが困難なだけで、すべて運営側の責任とは言えない
エリザベス・スウェイニー(スキー女子ハーフパイプ) ためらいはあった。この欄で果たして取り上げる価値があるのか。一流のアスリートが競い合う五輪の夢舞台を汚していないか。 しかし、彼女が平昌の雪面に残した奇異な爪痕は、SNSの拡散力で、瞬く間に世界を駆けめぐった。 フリースタイルスキー女子ハーフパイプに出場したエリザベス・スウェイニー、33歳。19日の予選で24人中、最下位に終わった。 当然だ。ほかの選手が半円筒状のコースで空中に飛び出し、その高さや回転技を競う中、彼女はほとんど何の技も披露しなかった。おそらく、出来なかった。スキー歴8年。高さ約7メートルとビルの2階ほどの雪の壁を滑り上がり、空中に飛び出すなんて、ある程度のスキー経験者でも恐怖だ。 そもそも、彼女はなぜ、出場権を得られたのか。 前回のソチ大会から採用されたこの種目は選手層が薄い。W杯で30位以内などの基準(1カ国・地域最大4
平昌(ピョンチャン)五輪の開会式が終わり、スタジアムを埋めた観客が一斉に帰途についたのは9日午後10時半ごろ。その先には、深夜に及ぶ大混乱が待っていた。 「珍富(ジンブ)駅はこちらへ」。スタジアムを出ると、最寄り駅へと誘導された。駅まではシャトルバスで20分ほど。バス乗り場には、あっという間に200メートル以上の大行列ができた。 気温は零度を下回り、冷え込んでいく。音楽を流して楽しむ団体もいれば、イライラし出す人も。遅々として進まない行列に、ある米国人男性は「輸送で、五輪の評価は決まるよね」。1時間かかってバスに乗った時には、日付が変わっていた。 警察官の言葉に… 午前1時になろうとするころ、駅に続々と、満員のシャトルバスが到着した。東海岸の江陵(カンヌン)駅を目指す人が多い。だが案内する警察官の答えは「もう電車は終わりました」。思わずみんな天を仰ぐ。駅内にある出発時刻の案内画面も消えてし
規定の上限23人超え、韓国「プラス北朝鮮選手の数」要請 来月9日に開幕する平昌(ピョンチャン)冬季五輪に向け、韓国と北朝鮮が政治決着したアイスホッケー女子の合同チームの編成が、競技の公平性をゆがめかねないとの懸念が広がっている。韓国が規定の上限となる23人を超え、北朝鮮選手の数を上乗せして登録することを求めているためだ。スポーツ庁の鈴木大地長官は18日の記者会見で「1チームで行うなら定められた人数で戦うべきだ」と要請した。【岩壁峻、村上正】 平昌五輪のアイスホッケー女子は開催国枠で出場する世界ランキング22位の韓国を含め、8チームが出場。1次リーグは米国など世界ランク上位4チームによるA組、下位4チームによるB組に二つに分かれる。五輪初勝利を目指す世界9位の日本はスイス、スウェーデンとともにB組に入り、2月14日の最終戦で韓国と対戦する。北朝鮮は世界25位。
2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長は14日、さいたま市内で講演し、競技会場見直しについて「アスリートファーストでまとめたものをきちっとやってきた。スポーツやオリンピック、今までの約束事をご存じのない方が来てガチャッと壊した」と小池百合子・東京都知事を批判した。 小池氏が当選後、経費削減を掲げて開催計画の見直しを提案した点について「その前に私は全部やっている。(既存の施設を使うなどして)約2千億円縮減した」などと主張。「組織委員会は無責任な団体だとか、好きなことをおっしゃっている」と不満をぶちまけた。また、ボート・カヌー会場を巡る動きを「(小池氏が)何も勉強しないで、かわいそうに(宮城県の)村井嘉浩知事は踊らされちゃった」と皮肉った。自民党埼玉県連が開いた会合で講演した。(平井恵美)
森会長、会場見直し案けん制=「都は本当にやるのか」-東京五輪 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は29日、東京都の都政改革本部調査チームによる3会場の計画見直し案について、「知事の判断を待ち、考えを伺ってからわれわれの考えを言う。都は本当にやるのか。それでもやるというなら大変なことだ」とけん制した。 都の調整チームの案は、新規に整備するボートとカヌー、水泳、バレーボールの恒久施設を経費削減のため既存施設に変更するというもの。森会長は「会場はそれなりの理由があって決まった。日本側からひっくり返すことは極めて難しい。(変更には)競技団体の了解がまず必要で、国際オリンピック委員会(IOC)は競技団体が了解しない限り受け入れてくれない」と話した。 ボートとカヌーの会場案として宮城県登米市にある既存施設が挙げられている点について、森会長は「選手村から離れており、分村で作ると
現役時代にはあまり気がつかなかったが、引退してからミックスゾーンにメディア側として立って、あらためて感じたのは日本選手のインタビューの特異さだ。成績が悪かった時のアメリカ選手が、自分なりの敗戦理由と次の目標を語るのに比べ、涙を流しながら「期待に応えられずに申し訳なかった」と謝罪し続ける選手を見ていて胸が苦しかった。 日本の選手のインタビューは似通っていると言われるが、私はその一端に、この謝罪の要求というのがあるのではないかと思う。負けた原因を分析したら言い訳と批判され、純粋な感覚を表現すれば負けたのにヘラヘラしていると言われる。選手にとっては競技をすることが一番大事だから、変なことで社会から反感を買いたくない。結局、一番問題が起きにくい謝罪一辺倒の受け答えになっていく。 選手に謝罪を要求することの弊害が2つある、と私は考えている。1つは、五輪という舞台で選手が一体どう感じたのかという、その
1日、シンクロ女子日本代表「マーメイドジャパン」が世界選手権(ロシア・カザン=7~8月)に向けて都内で行っている合宿を公開。チームとデュエットに分かれ約1時間の練習を行った。昨年2月に日本代表ヘッドコーチに復帰した井村雅代氏は「去年と比べたら凄く成長している。雲泥の差。メダルは見えてきた」と07年メルボルン大会以来、4大会ぶりの表彰台への手応えを口にした。 昨年のW杯ではチーム、デュエットとも2位に入るなど復活の兆しを見せたとはいえ、代表から脱落者が出たのも事実だ。 12人の代表メンバーのうち宮崎夏実(21)、計盛光(20)の2人が3月に代表を辞退。日本水泳連盟の本間三和子シンクロ委員長によれば「体力面の不安」が理由だという。体力的についていけないということらしい。 84年ロサンゼルス五輪からの6大会で指揮を執り、ソロ、デュエット、チーム合わせて8個のメダルをもたらした井村コーチの指導は厳
リオデジャネイロ五輪第7日(11日=日本時間12日、五輪水泳競技場)女子200メートル平泳ぎ決勝が行われ、金藤理絵(27)=Jaked=が2分20秒30をマーク。金メダルを獲得した。 金藤は2008年北京五輪は200メートル平泳ぎで7位に入賞したが、前回ロンドン五輪は出場権を手にできなかった。しかし、8年ぶりの大舞台では競泳日本代表チームの主将を務める。 元サッカー日本女子代表「なでしこジャパン」の澤穂希さん似で知られるキャプテンが、悲願の金メダルを手にした。 金藤は準決勝を2分22秒86の2位で通過していた。 「信じられない。加藤コーチを信じ続けてきて本当に良かった。家族だったり、加藤コーチの家族にも応援してもらった。だからこそ世界の頂点を狙って、やってこられた」
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