ことしのノーベル賞の発表が10月1日から始まり、医学・生理学賞には、免疫の力でがんを治療する新たな薬の開発をした京都大学特別教授の本庶佑さんが選ばれました。注目すべき日本の研究や候補者、最新ニュースをまとめてお伝えします。
ー米国学術界の状況は。 「米国は基礎的な研究は国の資金にサポートされているが、工学系の研究室はほとんど民間資金で運営している。国のサポートは小さく、民間から資金を集められなければ研究を続けられない。工学系の教授の50%は自分の会社を持っていてほぼ100%が企業向けにコンサルしている。教授はベンチャー経営者のようなものだ。企業へのコンサルで接点を作り、共同研究の資金を集める。これを原資に研究体制を整える。私はベンチャー2社を経営しているが、多い方ではない」 「我々は教授4人のチームで研究センターを運営しており、教授一人約10人のドクターコースの学生を雇っている。私は年間で約1億円集めないと研究室が倒産する。このためチーム全体では年間4億円を集めている。窒化ガリウム系デバイスの研究では私たちが米国1、2位の規模になる」 ー2000年に渡米した直後から営業回りができたのでしょうか。 「始めからで
米首都ワシントンのナショナルプレスクラブで開かれた記者会見で重力波の初観測について発表するLIGOのデービッド・ライツェ所長(2016年2月11日撮影)〔AFPBB News〕 最初に経済誌コラム的な部分を書けば、この業績が事実と認められたら間違いなくノーベル賞を取るに決まっています。 あれは毎年出るもので、珍しいものでも何でもない。日本国内で基礎科学の賞として話が通りやすいのでノーベル賞、ノーベル賞と言いますが、今回のケースは、そんなレベルにとどまる話ではなく、事実ならば画期的な新たな一歩を私たち人類の宇宙理解にもたらすことになります。 それに関連していくつか記してみたいと思います。 何が素晴らしいのか? 最初に、この業績の何が画期的で素晴らしいのかを端的に記しておきましょう。 「ブラックホールが直接観測できるようになる」という、私が生きている間には不可能ではないかと思っていた、新しい科
今回のテーマは話題のノーベル賞についてだ。 中村修二教授がノーベル物理学賞を受賞したわけだが、この出来事についてネット上では一悶着あった。 このツイッターを読んだ。 なお今回のノーベル物理学賞受賞で「日本もまだ捨てたもんじゃない!!」という声に溢れておりますが、青色ダイオードの主たる発明者の一人である中村修二教授は、数千億円もの利益を生んだ青色ダイオードの発明対価を認めなかった日本の司法に絶望し、日本を捨ててアメリカ国籍を取得しております。— sekkai (@sekkai) 2014, 10月 7 現時点で既にリツイート数は16000回を超えている。 RTが必ずしも賛同を示しているとは限らないが、一定数の賛同者はいるのだと思う。 中村教授は元の勤め先である日亜化学工業との間で、青色LEDの発明に対する対価について争った過去がある。 その時の記者会見での歯に衣着せぬ発言があったりして、会社
青色レーザーダイオードを実現した赤崎先生、天野先生、中村修二さんがノーベル賞を受賞されました。本当におめでとうございます。 特に中村修二さんは企業(日亜化学)での仕事で受賞したわけですから、私は中村さんよりも下の世代ですが、企業で技術者だった私は大変勇気づけられました。 大変失礼な言い方をすると、赤崎先生は偉すぎて雲の上の存在ですが、中村修二さんならひょっとしたら自分もなれるかもと、企業などで実用研究をしている技術者にも思われるところがあるのが、今回のノーベル賞は良いですね。 また実は私は学部、修士の時に青色レーザーに関連する研究をしていたので、昔(学生時代)を思い出して感慨もひとしおです。 当時は青色レーザーを目指して、今回受賞したGaNとZnSeが激しく競争。いずれの陣営も日本の企業・大学が中心で、「日本を制したものが世界を制する」という、日本の黄金期でした。 私は「負け組」であるZn
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