スタッフの愛情が生み出したクオリティ ――まずは企画がスタートした経緯について教えてください。 橋本裕之監督(以下、橋本):アニプレックスのプロデューサーから、「橋本さんが気に入った原作をアニメ化したい」と声をかけてもらったことがきっかけです。それでまずは、マンガやライトノベルを大量に送ってもらって読むところからはじめました。そのなかで『スロウスタート』がすごく面白かったんですよ。 ――どういったところに魅力を感じられたのでしょうか? 橋本:絵が抜群に可愛いのと同時に、少し暗い部分を持ち合わせているところに惹かれました。主人公が中学浪人をしていたなんて設定は、普通の「日常系」作品ではないですよね。基本は明るい世界観でありつつも、キャラクターの意外な面が少しずつ見えるようになっている。そんなさまざまな要素が入り交じった感覚に魅了されて、この原作をアニメ化したいと企画がスタートしました。 ――