若手データサイエンティストが集まる会で、人工知能(AI)をテーマに講演をする機会があった。講演後の雑談で「会社の上層部から『なんでもいいからビッグデータを集めて、AIでなんとかしろ』と言われて困っている。そんなのは幻想だ、と言ってもらえないか」と頼まれた。あまりに気の毒なので、この場を借りて、ご依頼にこたえようと思う。まずはAIの精度をどのように測るべきかについて考えてみよう。たとえば、画像
「今から10年後の2026年、AIは東大に入る程度の知能を有すると思いますか?」──ガートナー ITインフラストラクチャ&データセンターサミット2016に登壇した新井氏は冒頭、会場に向けて1つの質問を投げかけた。 この問いに「Yes」と挙手した人は、全体の80%以上にのぼった。「この質問の次に、どうしてYesと思うのかを聞くと、多くの人がビッグデータを活用した機械学習、最近ではディープラーニングの例を挙げる」という。 今年はAIが人間に勝つには10年かかるといわれていた囲碁の世界で、グーグル傘下のDeepMindが開発した「AlphaGo」が世界チャンピオンに4対1で大きく勝ち越して、世間を驚かせた。東大は日本一難しい大学だが、それでも毎年約3000名が入学する。プロ棋士になるほうが難しい。そのプロ棋士にAIは勝った。 「だったら東大に入ることはそれほど難しくはないのではないかと皆さんは考
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