日本の少子化が加速している。婚外子が少ない日本では、婚姻率が出生数に大きく影響する。人的資本開示が始まり、男女賃金格差の是正は待ったなし。しかし実は、それが婚姻率を下げる要因になりかねない。解決のカギは「下方婚」を認める社会的な意識の醸成だ。厚生労働省の人口動態統計によると、2022年の出生数は前年より4万863人少ない77万759人となり、初めて80万人を下回った。23年上半期の出生数は約35
日本は「親ガチャ」ではなく「出生地ガチャ」の国になる…「子供が増える8都市vs.消える39道府県」の残酷格差 いまの「地方の給料」では結婚はむずかしい 婚姻数・出生数ともに20年で35%以上も減少 結婚や出産は、かつて生産活動でした。 産業革命以前の農業社会では、結婚は共同体の維持のために必要な契約であり、出産は農耕共同体にとっての貴重な労働力の生産でもありました。明治維新以降は富国強兵の名の下で子どもは兵力の生産と変わりました。戦後の経済成長期においては、一億総中流社会の中で、夫婦と子ども2人の4人家族が標準世帯と呼ばれ、結婚も出産も標準という地位を得るための生産であったわけです。 1980年代、バブル経済が過熱する中、恋愛至上主義と呼ばれた自由恋愛・自由結婚の風潮が高まります。ちょうど、ユーミンが「恋人はサンタクロース」を発表し、雑誌『an・an』がクリスマスデート特集を組んだ頃です。
【図解】所得における税金と保険料を表す「国民負担率」近年急上昇の47.5%…増え続ける負担と減る一方の出生率 どうする日本? 国民や企業の所得に対して、税金や社会保険料の支払い負担を示す「国民負担率」。 昨年度の2022年度は、負担率が47.5%と、国民所得のほぼ半分を占めています。 この記事の画像(10枚) 40代会社員: 取り過ぎですよね…もう怒りですよ。何で半分も取るんだって感じですよ 異次元の少子化対策に対して、岸田首相は10月30日に、「負担が増えるようなことがない制度を構築したい」と話しましたが、この説明に街の人は懐疑的です。 50代会社員: 嫌ですね、何とか税金減らす様にしてほしいですよね。給与の天引きも多いですし。(経済面も)どんどん下がってくるんじゃないですか?国際的地位とかも。 年々、上昇傾向にある日本の国民負担率。海外と比べてその水準は?私たちの暮らしは今後どうなって
5月7日のNHK日曜討論「いま話し合おう 子ども・若者とお金」では、小倉こども政策担当大臣と、社会保障を専門とする大学教授や、子育てや若者の問題に取り組むNPOの関係者などが、少子化対策について議論を交わした。 放送後、論者の一人として番組に出演していたある大学院生の発言にSNS上で大きな注目が集まっている。中には、「大臣よりも現状を理解している」「忖度なしの意見が爽快だった」といった意見が多数見られた。彼女の発言を切り取った動画は、SNS上で1000万回以上再生されている。 注目を集めたのは、NPO法人POSSEで奨学金問題など若者の貧困問題に取り組む、一橋大学院生の岩本菜々さんだ。日々の相談活動から見えた現場の実態をもとに、小倉大臣を前に若者の貧困の現状を訴え、討論を挑んだ。 彼女が述べた意見とはどのようなもので、なぜ「一人の大学院生」の発言が、これほどまでに反響が寄せられたのか。日曜
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2022年の出生数が80万人割れとなって、大きな波紋を広げている。1899年の統計開始以来、初の80万人割れとなる79万9728人になった(厚労省「人口動態統計」)。 岸田文雄首相は「こども政策の強化」として、(1)児童手当を中心とした経済的支援の強化、(2)産後ケア、幼児教育や保育のサービスの拡充、(3)働き方改革――を3本柱として掲げるが、既存施策の焼き直しに留まり、実効的な「少子化対策」とは言えない状況だ。 筆者は約20年前から雇用と結婚、出産、子育ての関係をライフワークとしているが、雇用不安が少子化に与える影響は計り知れず、その視点が抜け落ちている。 男性正社員・非正社員の未婚率の大きな差 著書『年収443万円』では、不妊治療中の男性(30代前半)が雇用不安を抱える。 「今は自分も妻も、地元の平均年収を上回っているからこそ、結婚もできて、子どもを望めるのだと思います。ただ、妻は正社
年収のダウンが叫ばれて久しいが、実際どれだけ減ったのか。国税庁「民間給与実態統計調査」のデータに基づき社会保険料や住民税などを含めて徹底分析した北見式賃金研究所(愛知県名古屋市)の北見昌朗所長は「政府は、社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険など)、住民税、消費税などを引き上げて、民間からお金をむしり取ることばかりに熱心で、市中にお金が回らなくなったのも当然だ」という――。 給与から天引きされる社会保険料や住民税が激増 国税庁の「民間給与実態統計調査」は年末調整の結果であり、いわゆるアンケート調査ではない。日本の給与を調査したデータとして、これ以上信頼性の高いものはない(本記事では「民間給与実態調査」と略す。本記事を執筆している2022年8月時点では、2020年分が最新のデータである)。 ※「民間給与実態調査」は「平均年収×勤労者数=給与総額」でまとめられている。「平均年収」と
日本で不妊治療の保険適用やこども家庭庁の新設といった政策が実施されているように、他の先進諸国もさまざまな少子化対策を講じている。 だが、人口と生産性の関係を専門とするノルウェー人研究者ベーガール・スキルベックは、出生率が下がり続ける「本質的な原因」を各国政府は理解していないと指摘する。 世界100ヵ国が少子化 女性の平均的な出産人数は、世界15の経済大国で長期的な人口維持に必要な数を下回っている。これは歴史上初めてのことだ。 一部の経済大国では、低出生率と少子化が長期にわたって続いている。 ヨーロッパでは1970年代に多くの国で出生率が人口置換水準(人口が増減せず均衡した状態になる出生率)を下回った。それ以降、欧州諸国の出生率は伸び悩んだまま現在に至る。 アジアも遅れてこの傾向を踏襲している。インドでは2020年に、出生率が人口置換水準を下回った。韓国の合計特殊出生率(15~49歳までの女
自民党が単独で過半数を超える議席を獲得し、事実上勝利した先の衆議院選挙。 NHKの出口調査では、若者が自民党を支持する傾向がはっきりと読み取れた。 少子高齢化の中で、意見が政策に反映されにくいとされる若い世代がなぜ政権与党である自民党を選んだのか。 新型コロナウイルスの問題は投票先の判断に影響しなかったのか。 調査結果や専門家などへの取材から読み解いた。 (内藤貴浩、石井良周) 若い世代ほど自民党に まずは、こちらのグラフを見ていただきたい。 NHKが衆院選の投票日に行った出口調査で、比例代表の投票先を年代別にまとめたものだ。 自民党に投票したと答えた人は、18・19歳で43%、20代も41%でともに4割を超えた。 30代が39%、40代と50代が36%、60代が34%、70代以上が38%となった。 つまり、60代以下では、若い世代ほど自民党に投票したと答える割合が高くなっているのだ。 岸
コロナが世界を蹂躙して経済が停滞しオリンピックどころではなくなっているが、コロナ前から先進国で最も凋落が著しかったのがホスト国である我らが日本で、コロナ禍も加わって“斜陽”が止まらなくなっている。 家計調査を見ても、財務省の平均給与と国民負担率を見ても落ちるところまで落ちた感があるが、インバウンドも期待できないのに無理してオリンピックを開催したら一段と貧しくなってしまうのではないか。いったい誰が日本をここまで貧しくしてしまったのだろうか。流通ストラテジストで『アパレルの終焉と再生』の著者、小島健輔氏が「本当の理由」を解説する――。 家計消費支出に見る「日本人の貧困化」 総務省家計調査(二人以上世帯)の20年平均消費支出が前年から5.3%も減少し、「被覆及び履物」支出は18.9%、「教養娯楽」支出は同18.6%も減少したが、コロナ禍ばかりが要因ではなく、その前から日本は貧しくなっていた。 2
韓国内外の研究機関が、これまで「22世紀に地球上から真っ先に消える国は韓国」と指摘している。現実に出生率は急激な「右肩下がり」状況に落ち込んでいる。(『勝又壽良の経済時評』勝又壽良) ※本記事は有料メルマガ『勝又壽良の経済時評』2019年12月2日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。 文政権の間は出生率が激減? ただし公務員家庭だけは2倍の新生児 出生率低下は誰にとっても「自分の問題」 韓国では、合計特殊出生率(生涯に一人の女性が生む子どもの数)の急低下が止まらない深刻な事態だ。文政権が登場して以来、加速的な低下が続いている。 出生率の急低下は、決して他人事ではない。現役世代にとって、将来の年金を払ってくれる人たちの減少を意味するからだ。自らの「年金危機」を確実にする恐ろしい現象と認識すべきであろう。 こういう説明
50年前から分かっていた少子高齢化問題、なぜ回避できなかったのか:スピン経済の歩き方(1/5 ページ) 「敬老の日」の昨日、この国の「敬老」の意味をあらためて考えさせられるニュースがあった。65歳以上の高齢者は約3588万人で、全人口に占める割合は28.4%と過去最高となり、これは同じく高齢化が進むイタリアの23%を大きく引き離し、世界一となっているというのだ。 「敬老の日」の昨日、この国の「敬老」の意味をあらためて考えさせられるニュースがあった。 9月15日現在、65歳以上の高齢者は約3588万人で、全人口に占める割合(高齢化率)は28.4%と過去最高となり、これは同じく高齢化が進むイタリアの23%を大きく引き離し、世界一となっているというのだ。 ご存じのように、このポジションは当分続く。「平成30年版高齢化白書」によれば、日本の人口がじわじわと減っていく中でも、高齢者は「団塊の世代」が
平均所得の推移と世帯格差 日本はかつてに比べて貧しくなった、年収が上がらない、という声を聞きます。この年収が上がらないというのが少子化の原因の一つであり、いっこうに楽にならない生活の大きな理由といってよいでしょう。 それでは、平均的な世帯での平均所得というのはどのぐらいになってくるのでしょうか。厚生労働省が資料を出しているので、ご紹介します。 平均所得の推移 調査の概要|厚生労働省 児童のいる世帯と高齢者世帯の比較です。ここでいう所得というのは雇用者所得、つまり税引前の所得のことです。税引き後の手取り、可処分所得ではありません。 さて、児童のいる世帯が高齢者世帯に比べて倍以上の所得があります。これには理由があります。 児童のいる世帯は、働いている現役世代である 共働き家庭の共稼ぎの所得が見た目を押し上げている 理由はこの2つです。特に、共働き家庭の所得が押し上げているのが大きいです。平均年
所沢市が育休退園を始めたとのことで話題になっています。2人目ができたら1人目が退園になるとのこと。何で少子化対策が急務のこのご時世に保育政策が後退するのかと思ったら、現市長の藤本正人氏のこの発言「子どもはお母さんと一緒にいたい。特に小さいころはきっとそうだろう」実態は分かりませんが、時代を逆行するような教育観でミスリードしている可能性が高いと考えられます。 これを受けてネットでは「子育てするなら所沢は嫌だ」という「所沢パッシング」も見られます。藤本氏は、自衛隊入間基地の騒音で窓があけられない学校へのエアコン設置問題でも、子供たちに真夏の暑さを我慢させようとするなど、時代錯誤の昭和根性っぷりを存分に発揮。所沢市は2014年から人口減少に転じていますが、ダイオキシンばりの有害政策の連発で、市の人口減少に拍車がかかるかもしれません。所沢市には即時撤回を望みます。
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