退職金ゼロにする奇策が全国自治体で横行 非正規公務員5.8万人、勤務が毎日15分短いだけで「パート扱い」 非正規の地方公務員には退職金を払いたくない? 全国の自治体でそんな観測が浮上している。退職金の受給資格があるフルタイム非正規より1日約15分だけ勤務時間が短いため、受給できない「パート」が約5万8000人いることが国の調査で判明したからだ。専門家は「自治体が恣意的に勤務時間を短くしているのではないか」とみている。(渥美龍太、畑間香織)
なぜ、社会に不可欠な「エッセンシャルワーカー」は低賃金で働かされているのか。その実態を筑波大学人文社会系教授の田中洋子氏が解き明かす。 後編は正規/非正規雇用の区別がないドイツのマクドナルドを分析。そこではパートも含め全ての従業員が「正社員」待遇だ。 働く時間数が違っても、労働条件・待遇は同じ。正規/非正規で給与などの待遇差が大きい日本企業とは対照的だ。『エッセンシャルワーカー 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか』(旬報社)から一部抜粋する。 >>前編:なぜエッセンシャルワーカーの給料は安く、“ブルシットジョブ”は高いのか? 日本の飲食店では、低い時給で働くアルバイト・パート中心に店を動かすことが常識になっているが、それは世界的にみると決して当たり前のことではない。 非正規雇用を使って人件費を下げないと、店も企業も利益が出せない、と日本では考えられ、その中でいかに非正規のやる気
日本はなぜこんなに安い国になってしまったのでしょうか。 日本の物価が他の先進国に比べて安いということを、別の表現で言い換えると、「インフレーション率が低い」となります。 ここ30年の日本はインフレ率が低いままで推移しています。 これはどういうことかというと、日本ではものやサービスの値段が30年間上がっていないという意味です。 この値段の上がり方を知るための数字が「CPI(Consumer Price Index)」というものです。日本語では「消費者物価指数」です。 その国のものやサービスの値段を知るための数字で、CPIが上がっていれば「物価が上がっている」ことになります。この「物価が上がる状態」をインフレーションと呼ぶわけです。 日本のCPIは総務省の統計を見ると、35年前の1987年に比べると2022年は20%ぐらい上がっています。20%とはずいぶん上がっているなと思う人がいるかもしれま
SNSなどで見られる、なんともおしゃれな食事。お店選びや献立の参考にする人も多いのでは。一方で、思わず寂しい気持ちになってしまう食事風景の投稿も。みていきましょう。 50歳手前の独身男性…衝撃の食事事情 ――今日のご馳走 そう写真を投稿した、48歳、非正規社員だという独身男性。映っていたのは、片手鍋で作られたチキンラーメン。「夜、小腹でも減ったのか」と思えば、立派な夕食だといいます。しかもその日の食事はこのチキンラーメンと、健康を気にしてか野菜ジュースがプラスされていました。 具なしのインスタントラーメンと野菜ジュースで200円ほど。「いつもは500円ほどは食事代に使っているけど」と前置きしつつ、「給料日前で所持金300円以下だから今日は特別」と寂しい夕食に対して精一杯の言い訳。 新生銀行『2022年 会社員のお小遣い調査』によると、会社員(正社員・契約社員・派遣社員)、パート・アルバイト
個人加盟の労働組合が集まって賃上げに取り組む「非正規春闘2023実行委員会」は3日までに、非正規労働者を対象としたアンケートの結果を公表した。約500人のうち9割近くが物価上昇に伴う生活苦を訴え、8割近くが賃上げされず予定もないと回答。今春闘で高水準の賃上げが相次ぐ大企業の正社員との待遇格差が際立つ結果となった。 調査は3月1~7日、インターネットで実施。回答した507人のうち4割以上が大企業に雇われ、約6割は女性。半数以上が時給1200円以下だった。物価上昇で生活が苦しくなったとの回答は「とても」が40.4%、「どちらかと言えば」が48.3%で合わせて9割弱に上った。
岸田文雄首相は15日、首相官邸で政府と経済界、労働団体の代表者による「政労使」の会議に出席した。最低賃金の全国加重平均を2022年の961円から23年に1000円へ上げる目標を示した。非正規雇用も含めた幅広い賃上げを訴えた。「今年は1000円を達成することを含め最低賃金審議会で明確な根拠のもと、しっかり議論いただきたい」と述べた。地域間格差の是正も必要だと強調した。出席者は中小企業の賃上げへ
Published 2023/03/09 21:09 (JST) Updated 2023/03/09 21:25 (JST) アルバイトや非正規社員らが個人加盟する労働組合が9日、今春闘で賃上げに応じないなどと回答した靴販売店「ABCマート」や回転ずし「スシロー」の運営会社など10社に対し、ストライキを行うと発表した。それぞれの企業で働く組合員計約50人が、18日にかけて実施する。 各労組は、アルバイトらの10%賃上げを求める「非正規春闘」を展開している。千葉県内のABCマート店舗で働くパート女性(47)は記者会見し「1月から時給が20円下がった。もう我慢できない」と話した。東京都渋谷区の運営会社前では、組合員らが「賃下げをやめろ」とシュプレヒコールを上げた。
2022年の出生数が80万人割れとなって、大きな波紋を広げている。1899年の統計開始以来、初の80万人割れとなる79万9728人になった(厚労省「人口動態統計」)。 岸田文雄首相は「こども政策の強化」として、(1)児童手当を中心とした経済的支援の強化、(2)産後ケア、幼児教育や保育のサービスの拡充、(3)働き方改革――を3本柱として掲げるが、既存施策の焼き直しに留まり、実効的な「少子化対策」とは言えない状況だ。 筆者は約20年前から雇用と結婚、出産、子育ての関係をライフワークとしているが、雇用不安が少子化に与える影響は計り知れず、その視点が抜け落ちている。 男性正社員・非正社員の未婚率の大きな差 著書『年収443万円』では、不妊治療中の男性(30代前半)が雇用不安を抱える。 「今は自分も妻も、地元の平均年収を上回っているからこそ、結婚もできて、子どもを望めるのだと思います。ただ、妻は正社
報告書名は「新時代の日本的経営」。経営で三つの雇用の形を組み合わせることを提言した。このうち契約社員や派遣ら非正規を「雇用柔軟型」と名付け、企業が人件費を抑えるために活用する方向性を示した。 新時代の日本的経営 終身雇用や年功賃金を中心とする日本的雇用の見直しを求める提言。急激な円高や不況を受け、人件費を抑えるのを目的に3種類の雇用を組み合わせる「雇用ポートフォリオ」の導入を企業に促した。正社員に当たる「長期蓄積能力活用型」、専門能力を生かす「高度専門能力活用型」に加え、現在の非正規労働者に当たる「雇用柔軟型」を設定。企業が非正規を増やす方向性を示したとされる。 当時、日本は先進国が協調してドル高を是正する「プラザ合意」(85年)を機に円高が急伸、その後のバブル崩壊で不況に陥った。成瀬さんは報告書の作成について「円高で賃金が上がり過ぎたから下げるしかなかった。このままでは企業がつぶれるとい
非正規の図書館職員の女性がツイッターで始めた署名運動が話題を呼んだ。けれども地方の非正規公務員の実態はまだ十分に知られているとはいえない。 いつのまにか急速に 地方公務員の非正規化は急速に進んだ。図書館職員の例でいえば1987年の統計をみると1割が非正規で9割が正規だった。これが5年ごとに10%ずつ逆転し、現在は2割が正規で8割が非正規になっている(文部科学省調査より)。 これだけ急速に進んだにもかかわらずそのことが世の中ではあまり認識されていない。理由の一つは、非正規化を進めている人たちにとって不都合な真実だからだ。 地方公務員数のピークは94年の約328万人だ。そこから約15%、約48万人減って約280万人(2021年)になっている。しかし、その間、地方公務員の仕事はむしろ増えている。 生活保護受給世帯が増え、児童虐待も増えている。生活困窮者の自立支援、消費生活相談、DV相談など新しい
今年司法試験に受かった氷河期非正規労働者だけど、マジで就職先が見つからなさ過ぎて絶望している 何処もマジで書類すら通らない 大手はそもそも合格発表前の段階で内定を出し切っているし 一人二人で経営しているような小規模事務所からも書類で跳ねられる 結局何処も高学歴絶対主義、新卒至上主義なのは変わらないのね 資格持ち専門職の採用選考ならばちょっとはマシなのかと思っていた自分が世間知らずだったよ まあ現実的に考えたら採用するには若い方がいいに決まってるし 期待していた私が悪いです 心残りになるような家族やペットもいないし、司法修習が終わったら行く宛てがないから自殺しようと決めている 自分にとって司法試験は、何とかしてこの世の中をサバイブするための最後の手段だった 司法試験でも無理なら、あとは医学部入試くらい?でも理系の才能ないから多分無理だわ 受からない間は、受かれば一発逆転出来るんじゃないかと思
「日々の授業だけではとても食べていけません。だから教壇に立ちながら、日雇いのアルバイトをするなどして生活してきました」 近畿圏の高校で保健体育を教える村井真由美さん(40代、仮名)は、これまでの教師生活をこう振り返る。教師として働き始めて20年以上のベテランだが、学校の仕事だけでは生活が立ち行かないという。それは村井さんの勤務が「非常勤」だからだ。 学校で働く非正規教員には、常勤で働く「臨時的任用教員(常勤講師)」などのほかに、授業だけを受け持つ「非常勤講師」がいる。報酬は時給制で、概ね2500円~2800円と一般的なバイトに比べれば悪くないが、持てるコマ数に限りがあることから、月収が20万円に届くことはほとんどない。 工場やスーパーのバイトで食いつなぐ 村井さんも平日はほぼ終日学校にいるが、月収は11~12万円程度にしかならない。税金や社会保険料などを支払うと、生活を維持するのは厳しいと
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日本人の給料が一向に上がらないのはなぜなのか。カリフォルニア大学バークレー校のスティーヴン・ヴォーゲル教授は「日本はバブル崩壊後のコスト削減をいまだに引きずっている。企業の利益が上がっているのに設備投資が横ばいであることからも見て取れる」という――。(取材・文=NY在住ジャーナリスト・肥田美佐子。第1回/全2回) 【写真】スティーヴン・ヴォーゲル教授 ■日本の多くの構造改革は経済の活性化につながらなかった ――2018年に上梓された『日本経済のマーケットデザイン』(日本経済新聞出版社)で、アベノミクスについて書いていますね。過去10年にわたって、日本の経済政策の屋台骨だったアベノミクスをどう評価しますか。 「3本の矢」に照らして見ると、まず、第1の矢である「金融緩和政策」は大成功を収めたと言ってもいいでしょう。政府は積極果敢なデフレ対策を講じ、経済再生の追い風になりました。 第2の矢である
理化学研究所(理研、本部・埼玉県和光市)の職員でつくる「理化学研究所労働組合」などは25日、約600人の研究系職員が2022年度末に雇い止めになるとして、理研に撤回を求めるよう文部科学相と厚生労働相宛てに要請書を提出した。同労組の金井保之執行委員長らが文科省で会見し「日本の研究力低下に拍車を掛ける」と訴えた。 金井委員長らによると、理研は職員の8割が非正規雇用。研究系職員は10年の雇用上限が16年に導入され、13年4月1日までに入所した人は同日が起算日とされた。このため、約300人が22年度末に雇用上限を迎える。この中には研究室主宰者が60人以上含まれており、その下で働く職員約300人も雇い止めになる。500以上ある研究チームの12%が解散し、神戸市中央区の生命機能科学研究センターが約4割の24チームを占めるという。 会見には、対象となる研究者3人もオンラインで参加。「十数年前に入所した時
地方公務員の非正規化が進んでいる。非正規公務員は15年で1.5倍に増加。4人に3人が女性という割合だ。当事者を中心に昨年設立した支援団体「公務非正規女性全国ネットワーク(通称・はむねっと)」は、自立できない賃金水準にあることなどの実態を明かし、このままでは「公共サービスが持続できなくなる」と警鐘を鳴らす。20日に都内で設立1周年の集会を開く。(畑間香織) 都内の放課後児童クラブで働く女性(48)は3月末で退職することを決めた。女性の給料は手取り月14万円、年収は200万円に満たない。単身のため、収入を増やせないかと、別の仕事を入れることも考えたが、児童の相手をしながら事務作業に追われる状況では体力的に難しく限界だった。女性は「現場を担うのは非正規やパート。行政がこの待遇で仕事をやれる人に甘えている」と憤る。
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