ミュージシャンとしては初めて、「新たな詩的表現を生み出した」として、ノーベル文学賞まで受賞したボブ・ディラン。自身が60年間にわたってつくってきた600曲以上の楽曲の著作権を、アメリカのユニバーサル・ミュージック・グループに売却したことが、全米の大きな話題になった。 ボブ・ディランと言えば、「風に吹かれて」や「時代は変る」、「ライク・ア・ローリングストーン」など、自らが作詞作曲した楽曲で、デビュー時から1960年代中盤まで、プロテストソングの旗手としてもてはやされた。 特に「風に吹かれて」は、公民権運動のアンセムとして人々に愛唱され、同業のミュージャンからもリスペクトされていた。しかし、ディラン本人はのちに、そういうことには辟易していると語り、距離を置いていたが、彼が1960年代という時代を象徴するアイコンであったことは確かだ。 その後も活動を続け、グラミー賞やアカデミー賞をはじめ、ピュー