【この記事のポイント】・米でAIの活用を理由にした解雇が始まった・代替可能な職を削減、8月までに4000人・IBMは学び直しの機会設け、配置転換促す米国企業が人工知能(AI)の活用を理由にした従業員の解雇に動いている。大手通信会社などはAIで代替できる事務部門の雇用を削減。IBMはリスキリング(学び直し)の機会を提供し、配置転換を加速する。AIが理由の人員削減は全米で今年8月までに約4000人に
最近発表された人員削減を行う企業の長いリストに、ある会社が含まれていないのが目立つ。Apple(アップル)だ。2023年、これまでに6万8000人以上の技術者が解雇されたが、アップルの従業員は今のところ解雇を免れている。 テック業界を揺るがしている景気後退の中でアップルは例外なのだろうか。必ずしもそうではない。アップルは2022年に時価総額3兆ドル(約390兆円)を突破した初の企業だが、同社の株価は同年に27%下落した。ウォールストリートジャーナルによると、アップルは来月、3年以上ぶりに四半期売上高が減少することが予想されている。 Google(グーグル)やMeta(メタ)など同業他社が解雇を行う中、アップルは1月にCEOティム・クックの減給を発表した。また、他のハイテク大手とは異なり、同社は新型コロナウイルス感染症のパンデミック時に積極的に人材を採用しなかった。 ティム・クックの減給 米
国立研究開発法人の理化学研究所の労働組合などが、約600人の研究者が雇い止めとなる可能性があるとして、文部科学相と厚生労働相あてに要望書を提出した。近年は、日本人のノーベル賞受賞者がまるで口をそろえたように、日本の科学力の低迷と研究環境の悪化を訴えてきたが、歯止めどころか拍車がかかっているような出来事だ。俳人で著作家の日野百草氏が、中国人技術者が日本の研究者や技術者の環境をどう見ているのか聞いた。 * * * 「日本は優秀な人がとても安いと思います。なぜ辞めさせるのですか」 筆者の旧知の中国人技術者から話を伺う。ITエンジニアでゲーム開発にも精通している。中国人のエリートならごく当たり前だが4ヶ国語を話せて日本語も堪能だ。しかし本稿、それでも文章化する際にそのままでは差し障るため逐次こちらで改めている。 「優秀でない人が安いのは当たり前ですが、日本は優秀な人も安い」 話は理化学研究所(理研
好業績下で人員削減策を打ち出す企業が増えている。2019年に早期・希望退職を実施した上場企業35社のうち、最終損益が黒字だった企業が約6割を占めた。これらの企業の削減人員数は中高年を中心に計9千人超と18年の約3倍に増えた。企業は若手社員への給与の再配分やデジタル時代に即した人材確保を迫られている。業績が堅調で雇用環境もいいうちに人員構成を見直す動きで、人材の流動化が進む。【関連記事】希望・早期退職、6年ぶり1万人超え 若手に原資回す早期退職、次を見据える中高年上場企業が19年に募集(または社員が応募)した早期・希望退職者は35社の計約1万1千人だった。東京商工リサーチが調べた。企業数も人数も18年(12社、4126人)の約3倍にのぼり、多くの電機大手が経営危機に陥っていた13年(54社、1万782人)の人数を超え、6年ぶりに1万人を上回った。35社の業績を日本経済新聞が分析したところ、全
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