20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~ 沙村広明 【アフタヌーン2022年2月号掲載】「アフタヌーン」35周年を記念して、この雑誌に黄金期を到来させた辣腕編集長の足跡を沙村広明が描く!
20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~ 沙村広明 【アフタヌーン2022年2月号掲載】「アフタヌーン」35周年を記念して、この雑誌に黄金期を到来させた辣腕編集長の足跡を沙村広明が描く!
日本人の誰もが知るはずの「平家物語」を、ほとんどの人間は誤解していると私は思う。この長大な物語の、全体のほんの何パーセントかの、しかも誇張されたエピソードにしか普段は接することがないと思うから。通読してみれば、そこには「戦争をすることは悲しい。恐ろしい」と訴える感情が充満しているとわかる。「戦死者たちを鎮魂しなければ。あらゆる死者たちを弔わねば」との切実な思いにも満ちている。そして、戦場では主役となる男性たち以外に、そうした現場には立つことの少ない女性たちのドラマも描かれているのだという事実。いったい誰が、「平家物語」の主役は女たちでもあるのだ、と理解したか? 私は「このTVアニメ版は、したぞ」とここに断じる。それも鮮烈にだ。痛烈にだ。原作の「平家物語」が秘めていた決定的なポイントにこのアニメ版は迫っていて、だからこそ視聴する私たちの胸にも迫る。主役のびわは、あなたの琴線を鳴らす。 確かに
「平家物語」は琵琶法師により語り継がれた、平家一門の繁栄と衰亡を題材にした軍記物語。アニメでは河出書房新社より出版されている古川日出男訳を底本としている。監督を山田尚子、脚本を吉田玲子、キャラクター原案を高野文子、音楽を牛尾憲輔が担当。古川の小説「平家物語 犬王の巻」が原作の劇場アニメ「犬王」を手がけるサイエンスSARUがアニメーション制作を務める。発表と併せて、アニメのPVも公開された。 舞台は平家一門が権力・武力・財力あらゆる面で栄華を極めようとしていた時代。亡者が見える男・平重盛が、未来が見える琵琶法師の少女・びわに「お前たちはじき滅びる」と予言されることから物語は動き出す。びわ役を悠木碧、平清盛役を玄田哲章、その長男・重盛役を櫻井孝宏、重盛の妹・徳子役を早見沙織が演じるほか、千葉繁、井上喜久子、入野自由、小林由美子、岡本信彦、花江夏樹、村瀬歩、西山宏太朗、檜山修之、木村昴、宮崎遊、
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