ことし2月、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船で、外国人乗船者の医療費のうち、2億7000万円余りが国の公費負担となっていたことが分かりました。調査を行った専門家は「今後、観光客などの来日が増加するとみられ、医療費を誰がどの程度負担するのか議論が必要だ」と指摘しています。 ことし2月、横浜港に入港したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」では、新型コロナウイルスの集団感染が起こり、日本人と外国人の合わせて712人が感染し、医療機関で治療を受けました。 このうち外国人乗船者342人について、国際医療福祉大学の和田耕治教授が、厚生労働省の研究事業として調査した結果、医療費が総額で2億8800万円余りに上り、94%に当たる2億7200万円余りが国の公費負担となっていたことが分かりました。 1人当たりの平均は、およそ80万円でした。 新型コロナウイルスは指定感染症のため、保険診療の対象
世界最大級の客船を誘致するため東京都が整備した「東京国際クルーズターミナル」が、来月10日の開業を前に報道陣に公開されました。ただ、新型コロナウイルスの影響で今のところ入港の予定はないということです。 東京オリンピックの当初の開幕に合わせて、先月開業する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で世界的にクルーズ客船の運航の取りやめが相次いだことから、開業が延期されていました。 26日は、来月10日の開業を前にターミナルが報道陣に公開され、東京都の小池知事が送迎デッキなどを視察しました。 岸壁の長さは430メートル、水深は11.5メートルで、4階建てのターミナルビルには出入国管理や税関、検疫などの施設が入ります。 都によりますと、今のところクルーズ客船の入港の予定はないということで、当面はイベントの開催場所やドラマ撮影のロケ地として活用してもらうほか、訪れた人たちに展望デッキからの景色を楽しん
横浜港に入港し、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の運航会社の日本法人が一部の社員に解雇を通知したことが分かりました。親会社が保有するすべての客船で運航中止が続いているということです。 退職に合意しなかった7人のうち3人が労働組合に加入し、雇用の継続を求めて会社との間で協議が行われましたが、解雇は撤回されず、30日付けで解雇を伝える文書が社員に送られてきたということです。 「連合ユニオン東京」では「解雇の対象となった社員の選考の基準について、合理的な説明がなく、こちらが活用を求めた雇用調整助成金の申請すら行われていない。整理解雇の要件を満たしておらず、不当な解雇にあたる」として、今後も交渉を続けることにしています。 これに対して会社側は「感染拡大に伴い、親会社が保有する全客船の運航中止を続けていて、今後の運航開始のめども立たないことから人員の削減せざ
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」が、16日午後、停泊を続けていた横浜港を出港しました。関係者によりますと、マレーシアに向かうということです。 クルーズ船は、その後客室の消毒やベッドのマットレスの交換などを行うため、民間の会社が所有する近くの岸壁に移動して停泊を続けていましたが、16日午後2時ごろ、この岸壁を離れて横浜港を出港しました。 関係者によりますと、マレーシアに向かうということです。 「ダイヤモンド・プリンセス」は一時的に離れたことはあったものの、16日までの3か月余りにわたって横浜港に停泊を続けました。 運航会社はホームページで、「ダイヤモンド・プリンセス」の日本を発着するクルーズについて、ことし10月1日出発分までは中止することを明らかにしています。
先月、オーストラリアの港に到着し、下船した乗客などが相次いで新型コロナウイルスに感染していることが確認されたクルーズ船について、警察は、体調が悪かった人たちの検査結果が出る前に乗客全員が下船していることから船側や当局の対応に問題があった可能性もあるとして刑事事件として捜査を始めました。 この船は、先月19日にオーストラリアのシドニーの港に到着し、その際、体調を崩していた人たちを対象に新型コロナウイルスの検査が行われましたが、感染者が少なかったニュージーランドから戻ってきたことから、感染のリスクが低いと判断され、検査結果が出る前におよそ2700人の乗客全員の下船が認められました。 しかしその後、体調を崩す人が相次ぎ、地元メディアによりますとこれまでに乗客・乗員600人以上の感染が確認され、少なくとも10人が死亡したということです。 こうした事態を受けて地元の警察は5日、船側や当局の対応に問題
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、名古屋市では、患者に対応できる医療機関のベッドの調整がつかず、感染が確認されたものの自宅療養を余儀なくされている人が4人いることが関係者への取材で分かりました。 こうした中、関係者によりますと、患者に対応する県内の医療機関のうち名古屋市の患者が入院するベッドの調整がつかず、17日朝の段階で感染が確認された人のうち、4人が自宅療養を余儀なくされていることが分かりました。 4人はいずれも症状は安定しているということです。 愛知県内には、新型コロナウイルスの患者に対応できるベッドが200床近くありますが、関係者によりますと、医療機関の中には、地域で感染がさらに拡大した場合に備えて、ベッドを一定数空けているところもあるということです。 このため名古屋市では、今月に入ってから感染者数が提供可能なベット数を超える状態が続いているということで、今後、症状が重い患者が多
厚生労働省は、新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客などが帰宅する際、一部の人に誤って不要不急の外出を控えるよう求める記載のない文書を配っていたことを明らかにしました。クルーズ船をめぐっては、帰宅したあとになって感染がわかった人もいて、厚生労働省は「文書に記載がなかったために外出した人がいる可能性が否定できず申し訳ない」としています。 こうした帰宅後の生活の注意点について「健康カード」と呼ばれる文書を配って周知していますが、一部の人に誤って外出を控える記載がない文書を配っていたということです。 クルーズ船をめぐっては、ウイルス検査で陰性となり帰宅したあとになって症状が出るなどして再び検査し、感染が確認された人が7人います。 厚生労働省は「文書に不要不急の外出を控えるよう求める記載がなかったために外出してしまった人がいる可能性が否定できず申し訳ない」としたうえで、自治体を通
ニュージーランド南部に到着したクルーズ船の船内で、新型コロナウイルスに感染した疑いがある乗客がいることがわかり、地元の当局は検査結果がわかるまで、乗客 乗員の下船を禁止する措置をとっています。 「ゴールデン・プリンセス」は、横浜港で先月、集団感染が確認された「ダイヤモンド・プリンセス」や、アメリカのカリフォルニア州に入港した「グランド・プリンセス」と同じ会社が運航するクルーズ船です。 ニュージーランド保健省によりますと、「ゴールデン・プリンセス」の乗客のうちの1人が新型コロナウイルスの感染が疑われる症状を示したため、この乗客を含む合わせて3人がウイルスの検査を受けているということで、結果がわかる16日まで、クルーズ船の乗客や乗員の下船を禁止したということです。 「ゴールデン・プリンセス」は乗客・乗員合わせて3700人を乗せることができますが、今回のクルーズで何人が乗船していたのかなどは明ら
三重県は14日、新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船の乗客で、県内に住む70代の男性1人が再び新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたと発表しました。 県によりますと、男性は、クルーズ船に乗船中の先月14日に新型コロナウイルスの検査を受けて陽性と確認され、東京都内の医療機関に入院していました。 その後、陰性が確認されたことから今月2日に退院し、公共交通機関を利用して三重県内の自宅に戻っていました。 しかし、今月12日になって、39度の発熱やけん怠感の症状が出たため、翌日、医療機関を受診して入院し、14日、再び感染が確認されたということです。 男性は現在、県内の感染症指定医療機関に移り治療を受けているということで、県は今後、男性の行動歴などを調べ、濃厚接触が確認された人に検査を行うことにしています。 これで、三重県内で新型コロナウイルスの感染が確認された人は、8人となりまし
新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、シンガポールを出発したイタリアのクルーズ船が寄港先のタイとマレーシアから入港を拒否されました。乗客に感染状況の深刻なイタリア国籍の旅行者が含まれているというのが理由ですが、運航会社は感染の疑いのある人はいないとしています。 ところがマレーシア政府は乗客に新型コロナウイルスの感染状況の深刻なイタリアに滞在していた可能性のあるイタリア国籍の旅行者64人が含まれているとして、7日、ペナン島の港への入港を拒否したということです。 マレーシア政府は今月5日からイタリア北部や北海道などに2週間以内に渡航した外国人の入国を一時的に禁止していて、クルーズ船に関しては8日から入港をすべて拒否するとしています。 このクルーズ船は6日、タイのプーケット島でも入港を拒否されていたということです。 クルーズ船の運航会社は船内に感染の疑いのある人はいないとしていますが、寄港先へ
アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて新たに西部オレゴン州が非常事態宣言を出しました。また、東部ニューヨーク州では感染者の数が100人を超えました。 アメリカでは西部のカリフォルニアとワシントン州、東部のメリーランド州とペンシルベニア州、それにニューヨーク市を含むニューヨーク州がすでに非常事態宣言を出しておりオレゴン州で6州目です。 ニューヨーク州のクオモ知事は8日、州内での感染者は16人増えて105人になったと発表しました。このうちの82人が日本人も多く住むニューヨーク市郊外のウエストチェスター郡で確認されているとしています。 また、中西部ネブラスカ州の保健当局は8日、最近イギリスへ旅行した36歳の女性が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。 全米50州のうちすでに20以上の州で感染が確認されていて各地で対策が本格化しています。
新型コロナウイルスの集団感染が起きたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」のアメリカ人の乗客のうち、100人以上が、チャーター機で帰国後テキサス州にある軍の基地で隔離されましたが、地元の自治体が、非常事態宣言を出して隔離の解除に反対し、期限の14日間がすぎた今も隔離される異例の事態となっています。 隔離は、アメリカのCDC=疾病対策センターの定めで14日間となるはずでしたが、同じ基地に隔離されていた中国・武漢からの帰国者が、基地を出たあと感染が判明して騒ぎとなったことから、地元のサンアントニオ市は2日、公衆衛生上の非常事態宣言を出して隔離の解除に反対しました。 非常事態宣言では、「隔離されている人が基地から市に入ったり、通過したりすることを許可しない」としていて、100人以上が14日間の期限がすぎた今も隔離される異例の事態となっています。 乗客の家族や地元メディアによりますと、CDCが地元
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」をめぐり、船内に残っていたフィリピン人の乗員、乗客445人が下船し、25日夜、フィリピン政府が派遣したチャーター機2機で帰国の途につきました。 このうち24日までに59人の感染が確認され日本の病院に運ばれましたが、ほかのフィリピン人は船内に残っていて、フィリピン政府がチャーター機の手配を進めていました。 そして25日、フィリピンのチャーター機2機が羽田空港に到着し、感染が確認されず帰国を希望する445人が乗り込みました。 フィリピン外務省がツイッターに投稿した画像や動画では、マスクをして座席に並ぶ人たちや防護服とゴーグルを身につけて対応にあたるフィリピン外務省などの職員の姿が確認できます。 そしてチャーター機は25日午後7時前と午後8時半すぎに相次いで日本をたち、帰国の途につきました。 チャーター機は25日夜中に首都マニラの北にあるパンパンガ州の空港に
クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船したアメリカ人のうち、新型コロナウイルスへの感染が確認されていた14人をチャーター機に乗せて帰国させたことについて、トランプ大統領が、事前の相談がなかったなどとして激怒したと、アメリカのメディアが伝えました。 これについて、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは21日、政府関係者の話として、トランプ大統領が、担当者からの事前の相談がなかったなどとして激怒するとともに、政権に打撃を与えかねないと不満を述べたと伝えました。 トランプ大統領には、事前の説明で、ウイルスへの感染が確認されたり、症状がみられたりする乗客は日本にとどまると伝れられていたということです。 また、ワシントン・ポストは、トランプ大統領が、アメリカで大規模な感染が起きれば、大統領選挙でのみずからの再選に影響が出かねないと懸念していると伝えています。
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で、厚生労働省の職員の多くが、船内での業務を終えた後、ウイルス検査を受けずに職場に復帰していたことが分かりました。専門家は「船内で感染した職員も出ているので、職員の検査の在り方を見直す必要があるのではないか」と指摘しています。 クルーズ船ではこれまでに厚生労働省の職員が少なくとも90人船内に入っていますが、発熱などの症状が無かった職員の多くは船内での業務が終わったあと、ウイルス検査を受けずに職場に復帰していたことが厚生労働省への取材で分かりました。 感染が確認された2人の職員については、船内での業務中に発熱などの症状が出たため、検査が行われていました。 一方、内閣官房によりますと中国・湖北省からチャーター機で帰国した人が滞在する宿泊施設では、対応に当たった内閣府の職員などの多くがウイルス検査を受けているということです。 厚生労働省の対応につ
オーストラリア保健省は、新型コロナウイルスへの集団感染が確認されたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船し、20日、チャーター機で帰国したオーストラリア人2人から、ウイルスへの陽性反応が出たと発表しました。 オーストラリア保健省によりますと、帰国した乗客164人のうち6人が北部ダーウィンに到着した際、熱などの症状がみられたため、すぐに隔離して検査を行った結果、2人から陽性反応が出たということです。 これについて、加藤厚生労働大臣は「必ずしも全員が陰性とわかってチャーター機で帰国したわけではなく、誰がどういう経緯で陽性が出たのか情報を収集したい」と説明しています。 こうした日本政府の見解についてオーストラリア保健省の報道官は、NHKの取材に対し「日本を出発する前の検査で陰性だと確認されることが下船の条件だった。陽性だった乗客はチャーター機に搭乗することは許されなかった」と説明しました
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船で、国立感染症研究所などは客室の待機を求めた今月5日より前に、多くの乗客がウイルスに感染していた可能性が高いとする見解を示しました。一方で乗員は5日以降も感染が続いた可能性があるとしています。 20日夜の会見で国立感染症研究所の担当者などは感染した人たちに発熱などの症状が出た発症のピークは、今月7日だったとみられるという見解を示しました。 このため乗客の多くは、ウイルスの潜伏期間を考えると5日に客室待機を求める前に感染していた可能性が高いとしています。 一方、乗員については、船内で業務を続けなければならなかったため、5日以降も感染が続いた可能性があるとしています。 厚生労働省は客室の待機を求めた措置は一定の効果があったとしていますが、もっと早くから対策を取れなかったのか、乗員などへの感染防止対策は十分だったのかなどについて、今後、検証を進め
新型コロナウイルスに感染して重症の肺炎になった患者の治療に当たった医師がNHKの取材に応じ、重症化した高齢者の1人は酸素をとりこめなくなり、肺の機能を一時的に代行する装置で対応していることを明らかにしました。そのうえで「肺炎の症状が出ると悪化するのは早い」として、重症化するおそれのある高齢者などへの感染拡大を防ぐ必要性を改めて強調しました。 症状は、鼻水やせき、のどの痛みなどが1週間ほど続いたあと、強いせきや大量のたんが出て息苦しさが強くなり、このうちの2人は人工呼吸器が必要な状態になったということです。 そして70代の男性には人工呼吸器を使い、80代の男性には、血液中に直接酸素を送り込んで肺の機能を一時的に代行する「ECMO」という装置を使った治療を行っているということです。 忽那医師は「肺炎の症状が出てから人工呼吸器が必要になるまで2日から3日程度と進行が早い印象だ」と話しています。
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