福島第1原発事故以降の脱原発機運の高まりに乗じ、石炭採掘権の購入や太陽光事業への投資を誘う詐欺が相次いでいる。経済産業省や国民生活センターは業者名を公表するなどし、「時流に乗ったセールスは詐欺の常とう手段」と注意を呼びかけている。 和歌山県紀の川市の70代の女性宅に3月、「合同会社北海炭鉱」のパンフレットが届いた。 「これからのエネルギーを担う黒いダイヤ」「世界で石炭の開発が求められています」などの記述とともに、世界の石炭消費量などのグラフも掲載。北海道釧路市の廃鉱の再生をうたい、1口10万円、年利4.8%とする「採掘権譲渡権」の申込書や別会社の社員らしき人物の名刺も入っていた。 数日後、名刺の人物を名乗る電話があり、「高く買い取るので購入してほしい」などと勧誘された。女性は不審に思いすぐに電話を切ったが、「何でうちの番号が分かったか不思議」と話す。