中小企業は大企業に比べ体力が弱く生産性も低い――。多くの人はそう考えている。だが、技術力や革新性などで大企業より先進的な中小企業を探すのは難しくない。その代表格が、コロナ禍で日本を救った、新潟のツインバード工業だ。 新型コロナウイルスの収束に向けて欠かせないとされるワクチン接種。菅義偉首相は1日当たり100万回を目標に掲げ、遅ればせながら日本でも7月23日からの東京オリンピック・パラリンピック開催を前に接種が進んでいる。このコロナ用ワクチン、当初は供給面で大きなボトルネックを抱えていた。それは、ワクチンによっては零下数十度という超低温での管理が必要なことだ。 ワクチンを国中へ普及させるには、庫内温度を安定的に超低温に維持する機能と、全国津々浦々まで運搬できるコンパクト性を兼ね備えた特殊な冷凍庫が必要になる。一般人には用途すら思い浮かばないそんなマイナーな機器を迅速に増産し、国難の打開に一役