CO2濃度と気温の上昇が組み合わさると、植物による水の消費量が増加する。その結果、写真にあるサウスカロライナ州のアシュプー川のような河川では、水量が減少する。(PHOTOGRAPH BY VINCENT J. MUSI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 今世紀末には、植物は今よりも多くの水を消費するようになる。結果、降水量が増えたとしても、北米、ヨーロッパ、中央アジアの人々が使える水は減ってしまうだろう――先日、学術誌「Nature Geoscience」に発表された最新研究の結論だ。 植物は、水循環を調節する重要な因子だ。実に、地上から大気への水の移動の60パーセントを植物が担っている。今回の研究は、気候変動が水の循環という重要なサイクルに、さまざまな面で影響することを示している。 「植物は大気にとって、ストローのような存在です。地上から大気への水の移動をつかさどって