「独り者」に優しい日本の社会(上) 2006年3月 3日 コメント: トラックバック (0) Momus 2006年03月03日 今年はバレンタインデーのことなどすっかり忘れていた。滞在先の大阪で郵便局に行き、窓口の職員にちょっとした贈り物――ミニチュアの赤い郵便ポスト――をもらうまでは。 企業のキューピッドが顧客の心に愛の矢を打ち込むようなこの光景は、コンビニエンスストアでも繰り返された。買い物の後で箱を差し出され、くじの付いたキャンディーを選んでくださいと言われたのだ。私は、こうした優しさに励まされたと同時に、個人ではなく公共機関や企業が愛を告白していることを面白いと感じた。 私は、誰かに励ましてもらう必要があったわけではないし、バレンタインデーだからといって特別何かをする必要もなかった。恋人のいる人間として、私は聖バレンタインには毎日敬意を払っていたいと思っている。2月14日の私のブ
「貧しい時代」に憧れを抱く現代人たち 2006年2月 2日 コメント: トラックバック (0) Momus 2006年02月02日 これから紹介するいくつかの実話には共通点がある。それが何か、考えてみて欲しい。 ドイツのテクノユニット、『クラフトワーク』は、車や鉄道、宇宙船をテーマにしたコンセプトアルバムを制作した後、自転車をテーマにしたアルバムを作った。 ニューヨークのロワー・イーストサイドにあるクリントン通りは、20年前はヒスパニック系の住民向けの安食堂や麻薬ディーラーで知られる場所だった。その後、この地域が「中流化」すると、通りに立ち並ぶレストランも、ロブスターをあしらったイカスミのガルガネッリ[卵入りのパスタの一種]を出すような店に変わっていった。昨年オープンしたばかりの『ファライ』は、1皿45ドルのパスタ料理を出している。 「バブル景気」に沸いた1980年代の日本では、ファッショ
日本の未来はスローな国家?(上) 2006年1月24日 コメント: トラックバック (0) Momus 2006年01月24日 G・K・チェスタトンが軽快な調子で嘆きをつづった1910年出版の『世界はどうしてしまったのか?』(What's Wrong With the World)は、ユーモアを交えた戒めから始まる。ここでは、まるで国に寿命があるかのように「若い国」と「死にゆく国」について延々と論じることの愚かさが戒められている。 チェスタトンは同書の中で、「人々は、スペインは晩年を迎えたと言う。スペインはじきに歯抜けになると言うのだ。あるいは、カナダからまもなく独自の文学が生まれると言う。カナダはもうすぐ口ひげを生やすにちがいない年齢になるといったところか。だが、国を構成するのは人間なのだ。国を建てた第1世代はもう老いてしまったかもしれないが、1万代目は活力にあふれている可能性だってある
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