自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件発覚後初の国政選挙となった衆院東京15区、島根1区、長崎3区の3補欠選挙が28日投開票された。唯一の与野党対決となった島根1区では、立憲民主党元職が自民新人に勝利。自民は東京15区、長崎3区では不戦敗を余儀なくされており、3補選全敗となった。立憲は東京15区、長崎3区でも候補者を当選させ全勝した。 東京・島根・長崎 立憲が制す 岸田文雄政権下の補選で自民が全敗するのは初。衆院の残り任期が約1年半となる中、政権にとっては痛恨の敗北で、与党内に動揺が広がりそうだ。執行部の責任論に発展し、9月の自民総裁選を待たずに岸田首相(自民総裁)の交代を求める「岸田降ろし」が起きる可能性もある。 自民党の茂木敏充幹事長は28日夜、党本部で記者団に「非常に逆風が強かった」「自民に対して大きな厳しい目が向けられている」と言及。政治改革や物価高対策などを通じて「信頼をもう一度
SNSで「頂き女子りりちゃん」などと名乗り、発信していた渡辺真衣被告=動画投稿サイト「ユーチューブ」より 「頂き女子りりちゃん」を名乗り詐欺マニュアルを販売し、自身も男性から現金をだまし取ったとして詐欺罪などに問われた渡辺真衣被告(25)に対し、名古屋地裁は22日、懲役9年、罰金800万円(求刑・懲役13年、罰金1200万円)の有罪判決を言い渡した。大村陽一裁判長は「ホストらの売り上げに貢献するために資金を得たいという動機は身勝手で、くむべき余地はない」と非難した。 判決によると、渡辺被告は2021年3月~23年8月、マッチングアプリなどで知り合った男性3人の好意につけ込み、現金計約1億5580万円を詐取した。また、女子大学生に詐欺マニュアルを販売し、男性2人から計1065万円を詐取するのを手助けするなどした。 判決は、被害者の中には貯蓄を取り崩したり、生命保険を解約したりして金銭を工面し
2025年大阪・関西万博の開幕500日前を契機に大阪市役所正面玄関前に設置された「ミャクミャク」のモニュメント=2023年12月、藤河匠撮影 2025年大阪・関西万博に向けて、大阪府と大阪市が24年度当初予算案に計上した万博関連費用の規模は計836億円超(うち国庫補助など24億円)に上った。開幕前の最終年度となり、23年度の4倍超と過去最高。加えて、知事・市長が公約の目玉とした無償化施策にも多額の予算を投入し、府は680億円、市は225億円のいずれも収支不足となる。赤字は今後10年間続く見通しで、府は年度当たり230億~940億円、市は同25億~355億円と試算している。 府・市が15日までに発表した予算案によると、共同設置の万博推進局の事業費は計657億円。大半は最大2350億円に増額された会場建設費の負担金が占める。負担額は国、経済界、府・市の3等分で各783億円となるが、24年度には
【EXPO70】アメリカ館のプレビューで公開された月の石=大阪府吹田市の日本万国博覧会会場で1970(昭和45)年3月10日 2025年4月に開幕する大阪・関西万博で、1970年の大阪万博で人気を博した「月の石」を再び展示する構想が浮上している。日米政府関係者が明らかにした。 米政府が検討しており、日本の政府関係者は「前回の大阪万博を知る人には懐かしい。月の石を再確認するために万博にいくというのもいい」と歓迎する。万博を巡っては国民負担増などで批判が多く、かつての人気にあやかりたいとの思惑もありそうだ。 月の石はアポロ12号が大阪万博開催の前年に月から持ち帰ってきたもので、重さ約900グラム。米国は69年に世界で初めて月面着陸を成功させたことから、宇宙開発を展示テーマのひとつにし、月の石は国のパビリオンであるアメリカ館に展示した。大阪万博は当時の国民の3分の2に当たる延べ約6421万人が来
国際通貨基金(IMF)は23日までに、2023年の日本の名目国内総生産(GDP)がドルベースで世界3位から4位に転落し、ドイツに逆転されるとの見通しを示した。円安によりドル換算で目減りしたほか、物価変動が影響する名目GDPのため、日本よりも高いドイツの物価上昇率が反映されたとみられる。 GDPは為替の影響が大きく、実際の順位は年末までの為替動向に左右される。ただ日本は低成長が長期化している。経済規模は国際的な発言力につながっており、逆転されると日本の存在感が一段と低下しそうだ。 IMFが公表した経済見通しによると、23年の日本の名目GDPは約4兆2308億ドル(約634兆円)で前年比0・2%減。一方ドイツは8・4%増の約4兆4298億ドルとなる。
障害のある人々の就労を支援する京都市内の事業所が、人気テレビアニメ制作の受注を始めた。何かに強いこだわりを持つ障害特性の人は、集中力を維持して繊細で創造的な作業を続けられる傾向があるとされる。事業所は障害特性が作画の強みになるよう、能力を発揮しやすい作業環境を整備。従来は安く抑えられがちな工賃を大幅に引き上げ、日本のアニメ人気を追い風に海外からの仕事も獲得している。 事業所は「シェイクハンズ三条烏丸」(京都市中京区)。障害者総合支援法に基づく「就労継続支援事業所」のB型に分類され、4月に開所した。現在は、精神障害や発達障害があって一般企業への就職が困難な20~30代の10人が通所し、パソコンでアニメの原画制作に取り組んでいる。
インターネット上の匿名掲示板で「殺処分でいいやん」などと中傷され、精神的苦痛を受けたとして、重度の障害がある前橋市の男性が、東京都と愛知県の投稿者の男性2人に対してそれぞれ約196万円の損害賠償を求めて前橋地裁に提訴した。12日付。投稿者の2人は、東京地裁がプロバイダーに対して発信者の情報を開示する命令を出し、特定されていた。
近年、米国では「Z世代」の若者を中心に、表現の自由に対する疑問が広がりつつあるという。 これは日本でも同様で、他人を攻撃し、あるいは差別・偏見を助長することを、表現の自由の名のもとに野放しにしてよいのかという声はしばしば聞かれる。 筆者自身の最近の経験でも、大阪駅に掲出された広告ポスターについて、ある元国会議員が「性の商品化」だと指摘した件について、(本紙ではない)記者から取材を受けた。そこでは、巨大ターミナル駅の構内という公共空間において、女性蔑視的ともとられるイラスト(もっとも、この件ではイラストが性的なものといえるかどうかについても異論があった)を大々的に掲示することが許されるのかが問題となった。 公共空間での表現の限界については二つの相反する考え方がありうる。公共空間だからこそ最大限の自由を、という考え(以下①とする)、公共空間だからこそ誰もが傷つかない表現を、という考え(以下②と
出土した鼉龍文盾形銅鏡。盾と鏡を合わせたようなデザインで、鼉龍文や幾何学文様など精緻な装飾が特徴的。中央の丸い突起はひもを通す「鈕」=奈良市教委提供 奈良市にある国内最大の円墳、富雄丸山古墳(4世紀後半、直径109メートル)の未盗掘の埋葬施設から、過去に類例のない盾形の銅鏡(長さ64センチ、幅約31センチ)と蛇行剣と呼ばれる鉄剣(全長237センチ、幅約6センチ)が出土した。いずれも国産とみられる。盾形銅鏡は国内で出土した銅鏡で最も大きく、裏面には精緻で複雑な文様が施されていた。蛇行剣は曲がりくねった刃が特徴で、古墳時代の鉄剣としては東アジア最大、蛇行剣では国内最古という。25日、発表した市教委と奈良県立橿原考古学研究所は「古墳時代の金属器の最高傑作」と評しており、国宝級の発見といえる。 埋葬施設は、墳丘から北東方向にせり出した「造り出し」で見つかった。木の幹を二つに割り、内部をくりぬいて被
熊本県芦北町で2020年11月、死産した双子の遺体を遺棄したとして死体遺棄罪に問われたベトナム人技能実習生、レー・ティ・トゥイ・リン被告(23)の上告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は、弁論期日を23年2月24日に指定した。結論を変更する際に必要な弁論を開くため、被告の無罪主張を退けて懲役3月、執行猶予2年の有罪とした2審・福岡高裁判決(今年1月)を見直す可能性がある。 弁論期日の指定を受けてレー被告は「とてもうれしいです。私の無罪主張に、最高裁の裁判官が耳を傾け、ぜひ無罪判決を言い渡してくれることを願います」とコメントした。
人気洋菓子店「マダムシンコ」を運営する「カウカウフードシステム」の本社=大阪市福島区で2022年11月25日午前8時25分、安元久美子撮影 インターネットの求人サイトに掲載された待遇よりも実際の月給が10万円以上少なかったとして、人気洋菓子店「マダムシンコ」の従業員だった男性(46)が、運営会社に未払い賃金約200万円の支給を求めた労働審判で、大阪地裁が約90万円の支払いを命じた。命令は25日付。男性が毎日新聞の取材に明らかにした。 運営会社を巡っては、淀川労働基準監督署が4月、男性を採用した際に労働条件を明確に示さなかったとして、労働基準法違反で是正勧告していたことも判明した。 運営会社は「カウカウフードシステム」(大阪市福島区)。同社のホームページによると、マダムシンコはバウムクーヘンの「マダムブリュレ」が看板商品で、関西を中心に展開する店舗や主要駅での販売で人気を集めている。
医師の古川聡・宇宙飛行士(58)が総括責任者を務めた、国際宇宙ステーション(ISS)の生活を模した医学研究に、データの改ざんや捏造(ねつぞう)など多くのずさんな点があったことが関係者の話でわかった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は重大な不適切行為があったと認定し、25日に文部科学省などに報告した。 古川飛行士は2023年ごろISSに2回目の長期滞在をすることが決まっているが、JAXAは古川飛行士を含む関係者を処分する方針。現役の宇宙飛行士を巡る不祥事が発覚するのは異例だ。 JAXAなどによると、この研究は…
岸田文雄首相は内閣改造・自民党役員人事を行う検討に入った。当初予算案編成後の12月末から2023年1月の通常国会召集までの間での実施を視野に入れている。寺田稔総務相の更迭をはじめ閣僚辞任が相次ぐ状況の中、通常国会に向けて体制の刷新で政権浮揚を図る狙いがある。首相は今後の臨時国会の状況などを踏まえて人事を断行するかどうかを判断する。 複数の政権幹部が明らかにした。首相は8月に、閣僚19人中14人を入れ替える大幅な内閣改造と党役員人事を行った。だが、10月に開会した臨時国会では、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が相次ぎ指摘された山際大志郎前経済再生担当相、死刑を巡る失言をした葉梨康弘前法相が相次ぎ辞任。11月20日には、「政治とカネ」の問題で野党から追及を受けた寺田氏が辞表を提出した。今後の衆参両院の予算委員会審議で…
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