たぶん、黒塗りに時間がかかったせいだろう。 判決言い渡しから1か月くらい経って、ひっそりと最高裁HPにアップされた東京地裁知財部の判決。 だが、よく読むとこの事件、提訴時には、商標界隈のマニアックな方々の間でもかなり話題になった、あの「ブロマガ」事件の判決ではないか! FC2とドワンゴ(旧ニワンゴ)、というWeb動画配信サービスで競い合う尖った企業同士がお互いに商標法と不正競争防止法に基づく主張を打ち合ったこの事件、代理人弁護士のお名前を拝見しても、豪華ですね・・・という印象を受けるものなのだが、第1ラウンドでは果たしてどういう決着になったのか、以下、簡単にご紹介することにしたい。 ※なお、事件勃発当時の「まとめ記事」として、今見られる主なものは以下のとおり。 ・STORIA法律事務所 柿沼太一弁護士「FC2vsドワンゴのブロマガ裁判と商標の仕組みを5分で理解できる記事」https://s
思えば商標法の世界に「小売商標」なる得体のしれないものが導入され、「当局の説明を何度聞いても運用のイメージがわかない!」という担当者の悲鳴と阿鼻叫喚の中、施行されてからはや12年。干支がくるっと一回りするくらいの月日が流れた。 幸いにも、特許庁の比較的”柔軟”な査定運用のおかげで、昨今の「新しいタイプの商標」のような悲劇的な事態*1は生じなかったし、さらに幸いなことに、小売等役務の区分で登録された商標が紛争の道具として使われることもそう多くはなかったように思われる。 それゆえ、「小売・卸売の区分で商標を使いたい会社が淡々と商標を出願して登録し、淡々と使っている」という実務者的には極めて幸福な時間が今に至るまで流れているわけだが、それは裏返すと、制度導入当時にいろいろと議論されていた「小売等役務商標の本質」とか、そこから導き出される「小売等役務商標の権利範囲」はどこまでか?という解釈論があま
「Python」が商標登録されていると分かった。プログラミング言語Pythonの人気が高まるなか、2019年7月23日現在、IT関係者の間で話題になりつつある。 Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏は7月22日午後9時過ぎにTwitterで、Pythonを商標登録した企業の研修コースを紹介するWebサイトを引用して、「登録商標取られちゃったんだ。無効申請すべき?」とツイート。7月23日午後2時30分時点で1500件を超えるリツイートがなされている。 特許や商標などを検索できる「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」によると、株式会社アークが出願人で、2018年5月11日に登録されている。アークのWebサイトによると、同社はIT関連の研修サービスを提供している。アークは「代表が不在でコメントできない」としている。
<米タレントの矯正下着名を撤回させた日本人が、他民族の英雄を料理の名前に冠するのはダブルスタンダードではないか> どんな体形にもフィットする矯正下着ブランドに「Kimono」というブランド名を付けて販売する予定だ──と、アメリカの有名タレント、キム・カーダシアンが6月25日に1億4000万人ものフォロワーを持つ自身のインスタグラムで表明すると、たちまち日本から「総攻撃」に遭った。 まず日本の伝統文化の拠点であり、着物産業を抱える京都市が門川大作市長名で「着物は日本の伝統的な民族衣装であり、暮らしの中で大切に受け継がれ、発展してきた文化だ」と再考を促した。 政治家も黙っていなかった。世耕弘成経済産業相が「しっかりと審査するよう米国特許商標庁に伝えている」と呼応。ネットでは商標登録申請に反対する署名の数がうなぎ上りに増えて13万人を超え、ついにカーダシアンは「慎重に考えた末、ブランドは別の新し
ゲームアプリ「Clicker Heroes」のクローンを開発した中国企業が、中国での商標を取得。それをもとにApp Storeで「Ckicker Heroes」の取り下げ申請を出したところAppleが受理し、オリジナルであったはずの「Clicker Heroes」が世界のApp Storeから消滅する事態となっています。 Apple removed my game from the app store because some company in China made a clone, trademarked the name we were already using, and then asked Apple to take down my game. : gamedev https://www.reddit.com/r/gamedev/comments/bs6n3l/apple_r
米アップル社が「ペンパイナッポーアッポーペン」の商標登録(正確には英字との二段書き商標(タイトル画像参照))に対して特許庁へ異議申立を行なっていましたが、その申立は昨年の12月20日付けで維持決定(取消に失敗)となっていました。なお、当該商標登録はエイベックス社によるものであり、ピコ太郎と関係ない人や企業による勝手出願ではありません。 アップルは、既登録商標であるApple、Apple Pay、 Apple Pencilとの類似(商標法4条1項11号)、アップルの業務との混同を招く(同15号)、国内外周知商標へのフリーライド(同19号)を主張しましたが、いずれも認められませんでした。確かに「アッポーペン(Apple Pen)」の部分は「Apple Pencil」に似ていますが、そこだけ取り出して両商標が全体として類似するとは言い難いですし、一般消費者は「ペンパイナッポーアッポーペン」という
シンガポールのティラミス店”The Tiramisu Hero”の商品コンセプトをパクった日本企業が商標権を先取りしてしまったことで、本家側がブランドを変更せざるを得なくなった事件については、マスメディアも含め既に多くの報道がされています。 もう同じことを書いてもしょうがないので、他のメディアでは触れていない点をいくつか紹介しておきましょう。 1.株式会社gramによる米国商標登録出願 日本で「ティラミスヒーロー」を商標登録した株式会社gramは、昨年の6月に米国でもTIRAMISU HEROを商標登録出願していました(タイトル画像参照)。米国の商標制度では、商標の実際の使用証拠を提出しないと登録されないのでどうなるかはわかりません。勝手出願するだけではなく、本家より積極的にブランド展開してしまうという点で、Supreme Italy(ニューヨークのブランドとはまったく関係ない会社)を思い
𝙂𝙊𝘼𝙏𓃵 @hskr_is_dead ティラミスのニュースで荒れてるgram、なんか記憶がよみがえって調べたんだけど大阪心斎橋の元祖gramとは別の会社だし元祖gramはbranc cafeに名前を変えて営業再開したのちに閉業してるっぽい ほーん 僕は仙台にできたgramは心斎橋のやつが来たんだと思って喜んで行っ…… 行っ…… ほーん……💢 2019-01-21 19:26:41 shien @_neihs ほんまや…元祖gramの食べログ付けたなって思ってデータみてみたら投稿してる人いる…譲ってってなってるけど実際は乗っ取りなん?? 前向きな事業譲渡にしては変更で対応とかちょっとおかしくない?? pic.twitter.com/B1bUWjLm5e 2019-01-21 20:13:39
政府は来年5月1日の改元をにらみ、元号に関する商標登録の審査基準を来年2月にも見直す。商標登録できない対象を「現元号」から「元号」へと改める。改元前に公表予定の新元号や、改元後に旧元号となる「平成」を利用した商法を防ぐ狙いがある。 特許庁は商標法に基づく「商標審査基準」で商標登録の要件を定めている。商標権者は登録された名称を独占的に使用できる。今の審査基準は、元号について「商標が、現元号として認識される場合(「平成」「HEISEI」等)」は登録できないとしている。 実際の審査では、現元号に限らず、「昭和」などの過去の元号でも商標登録を受け付けていない。例えば、「昭和まんじゅう」のような場合、元号として認識されることを理由に却下している。一方、明治ホールディングスなど世の中にすでに広く知られた社名などは例外的に認めている。 しかし、明文上の基準は登録できない対象を「現元号」に限っているため、
*この記事には上田育弘氏ご本人からコメントを頂いています(スクロールして下の方)。 さすが、元弁理士だけあって商標法に精通していらっしゃいます。 この知識を、法の穴を突いた違法行為スレスレの「ビジネス」ではなく、別のことに使えていたら・・・と残念でなりません。 朗報です。商標法改正により、悪意の商標先取り大量出願(流行りの言葉に便乗出願)をすることができなくなりました。 これにより、ベストライセンス社(上田育弘)のようなことはできなくなります。 ・・・と書いてしまうと語弊がありますね。 法律的にもうちょっと正確に書き直します(上の3行だけ引用したりしないでね(^^;)。 とその前に、ベストライセンス社の手口をおさらいしておきましょう。 通常、商標登録出願をする場合は、まず出願手数料を支払い、そこから商標の審査が始まるわけですが、ベストライセンス社の場合は、この一番最初に必要な出願手数料の支
国内で「オープンソース/Open Source」の商標登録の一部を取り消す審判請求。関連する商標関係者への調査依頼 私たちが普段使っている「オープンソース」や「Open Source」という語は、有志数名が集まった団体「Open Source Group Japan」が商標登録を行っています。これは、類似した商標の登録を敵対的な企業などによって行われることで、オープンソースという名称の利用を制限されないための処置だそうです。 ところが、 2018年6月に株式会社OPENSAUCEより、商標登録の一部を取り消すことについて審判を請求する不使用取消審判が請求されたと、Open Source Group Japanの佐渡秀治氏が明らかにしています。 Open Source Group Japanはこの不使用取消審判に対して黙認するか、もしくは商標の使用を立証する答弁書を提出するかの判断を早急に下
平成30年8月1日 株式会社OPENSAUCE 代表取締役社長 宮田 人司 弊社は、去る7月30日に、OSDN株式会社という企業の代表者である佐渡秀治氏が自社運営メディアに投稿した記事が、当社の意図するところから離れ、オープンソースコミュニティの方々に混乱を与える可能性がある内容となり、一部で誤解を含んで拡散していることを確認いたしましたので、早急に当社の知財活動の立場を明らかにするとともに、誤解を伴う混乱のこれ以上の拡大を防止するため、以下の通り事案の概要とともにアナウンスいたします。 1. 事案の概要 弊社は「レシピを世界共通フォーマットにするオープンプラットフォーム」の実現を目指し、幅広い分野で様々な活動を行っています。そこで社名でもありその事業目標を暗喩的に表す商標「OPEN SAUCE」について、その使用を確保すべく事業展開を予定する多くの分野を指定し商標登録出願を行っておりまし
日本版「少女前線」,商標トラブルによりサービス名称を「ドールズフロントライン」に変更。トラブルの相手は…… 編集長:Kazuhisa 編集部:Chihiro サンボーンジャパンは本日(2018年7月17日)付けで,日本版「少女前線」(iOS / Android)のタイトル名を「ドールズフロントライン」に変更すると発表した。この情報は,本作の公式Twitterアカウントで明らかにされたもの。 【日本版「少女前線」正式タイトル決定のお知らせ】#少女前線 #ドールズフロントライン #ドルフロ pic.twitter.com/dHRTETIyUy— ドールズフロントライン公式 (@GirlsFrontline) 2018年7月17日 発表によると,「少女前線」の日本国内での商標は,すでに2年前に第三者に取得されていたという。サンボーンジャパンは,長い時間をかけ訴訟や裁判所の調停を経て,相手方から日
ブランド品のロゴを無断で使用した古着を販売目的で所持したとして、警視庁は、いずれも古着店経営の東京都板橋区赤塚7丁目、滝沢智道(51)と豊島区西池袋3丁目、多田昭美(40)の両容疑者を商標法違反の疑いで逮捕し、5日発表した。2人とも容疑を認めている。こうした製品は「ブート品」と呼ばれ、古着業界で人気があるといい、警視庁によると立件は全国初とみられるという。 生活経済課などによると、滝沢容疑者は5月23日、グッチなどのロゴをあしらった古着のTシャツなど59点を東京・池袋の衣料品店で、多田容疑者も同日、原宿の店で同様の276点を販売目的で所持し、商標権を侵害した疑いがある。滝沢容疑者は以前、人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」に鑑定士として出演していた。 ブート品は「密造する」などの意味を持つ英語の「ブートレグ」に由来し、1980~90年代に米国で大量に作られた。2人はロサンゼルスで仕入れて
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