性犯罪やDVによる妊娠、経済的理由など、さまざまな事情で選択される人工妊娠中絶。 しかし、日本では制度や技術が戦後まもない時代から大きく変わらず、やむなく中絶を選択した女性たちに大きな負担を強いています。 望まない妊娠をした女性たちは、その苦しみに目を向けてほしいと訴えています。 (科学文化部記者 池端玲佳)
7月の東京都議選中に無免許運転で当て逃げの人身事故を起こし、自動車運転処罰法違反などの疑いで警視庁に書類送検された木下富美子都議(54、板橋区選出)に対し、地元・板橋区議会が「ノー」を突きつける。12日の第3回定例会本会議で、非難決議を全会一致で可決する方向になった。木下氏が都議会にとどまらず、板橋区の政治への信頼も損ねたとして糾弾する。 「木下氏は悪質な事故を起こしながら、一切、公に姿を見せていない。断じて許されず、看過できない。これ以上、迷惑をかけてほしくない」 板橋区議会の重鎮議員はこう語った。 区議会には、板橋区の住民有志が8月、木下氏を地方自治法に基づく「除名」にするよう、区議会から都議会に要請すべきだとする陳情書を出した。「区議会での審査にはなじまない」として見送られたが、区議や区議会事務局には苦情の電話が続いているという。 そこで、最大会派の自民党会派などが対応を協議し、非難
福岡拘置所に収容されている33歳の死刑囚が、拘置所で色鉛筆を使うことを禁止され絵を描く表現の自由を侵害されたとして、国に規定の取り消しや色鉛筆の使用を求める訴えを起こしました。 訴えを起こしたのは、宮崎市で家族3人を殺害した罪などで7年前に死刑が確定し、福岡拘置所に収容されている奥本章寛死刑囚(33)です。 法務省が拘置所などでの物品の使用に関する訓令を改正し、ことし2月から色鉛筆が使えなくなったため、絵が描けず表現の自由が侵害されているとして、国の規定の取り消しと色鉛筆の使用を認めるよう求めています。 7日から東京地方裁判所で裁判が始まり、奥本死刑囚側は「鉛筆と5色のシャープペンシルの使用は認められているものの、色を混ぜることなどが難しく、これまでのような表現ができなくなった」と主張しました。 一方、国側は争う姿勢を示しました。 原告側の黒原智宏弁護士によりますと、奥本死刑囚は、1審で死
ホームページによると、木下氏は9月17日に道交法違反容疑で警視庁に書類送検されたことについて、「私に直接の連絡はありません」としつつ、「この度の過ちについて、猛省するとともに、司直の判断に従い、償って参りたいと思います」との心境をつづった。 自らの進退については、「『議員辞職』を求める声も承知致しており、自らの進退について深く悩み、考えを重ねて参りました」とした上で、「私にご信託くださいました有権者の皆様をはじめ、失われた信頼を回復できるよう、償うべき償いを行い、これからの議員活動で答えを導き出しながら、ご奉仕させて頂きたいとの思いは、今も持ち続けております」と議員活動を続けたい考えを示している。 また木下氏は再選後、体調不良を理由に本会議などの欠席が続き、都から支払われた議員報酬などは、9月初旬までの2カ月ですでに約264万円に上っている。ホームページでは、体調不良について「寝つきが悪く
「特定危険」指定暴力団 工藤会は北九州市を拠点として、福岡県や山口県西部に勢力を持つ。1992年3月に施行された暴力団対策法によって指定暴力団に指定されている。野村がトップに就任した2000年以降、企業や一般市民への襲撃事件が多発するようになった。 死刑判決となった元漁協組合長射殺事件など4つの一般市民襲撃事件だけでなく、工藤会による事件は続発していた。暴力団追放運動のリーダーが経営する高級クラブへの手榴弾投げ込み事件や同様に運動に取り組む個人宅への銃撃、スナックなど飲食店経営者を刃物で襲撃する事件なども発生、その他にも未解決事件も多かった。 2003年、爆発事件のあったクラブ周辺の飲食店街を警戒する福岡県警のパトカー。死亡した犯人の男は工藤会系組員だった ©️iStock.com 事件続発を受けて、福岡県公安委員会は2012年12月、暴対法に基づいて工藤会を特定危険指定暴力団に指定した。
2018年7月、ロンドン。オンラインでの売春プラットフォームを非合法化案への抗議活動に参加するセックスワーカーやアクティビストたち。Photo: Wiktor Szymanowicz / Barcroft Media via Getty Images 2021年4月、新型コロナウイルス対策の救済措置として国から支払われる事業者向けの給付金の対象から性風俗業者を外したことをめぐって、国などに対し関西の性風俗業者が原告となって訴えた裁判の口頭弁論が東京地方裁判所で開かれました。「法の下の平等を保障した憲法に反する。社会の一員として認めてほしい」という性風俗業者に対して、国側は「性風俗業は本質的に不健全。国民の理解が得られない」と反論。裁判の行方が注目されています。 そしてその第1回公判から2カ月も経たない6月1日、立川市のシティホテルで19歳の少年が、派遣型風俗店に勤務していた30代の女性と女
(前編から続く) 前編では、この刑事事件の発端となった当日のことから、逮捕、報道、略式起訴を経て、公判請求を決意するまでの経緯をお話ししました。後編では、私の診断のこと、地裁公判がどう進行したのか、判決そして控訴についてお話ししたいと思います。 なお、本稿は前後編ともに弁護人および担当精神科医によるレビューのもと公開されています。 診断 公判の準備を整えながら、私は唐澤検事の言葉を反芻していました。 「20歳そこそこの子供ならともかく、35歳のいい大人が」 「頭がいいはずのあなたが」 「投稿の結果どうなるか分からなかったなんて、常識的に考えてあり得ない」 取調室で投げかけられたこれらの言葉は、ぐうの音も出ない正論でした。私は捜査機関の手続きは不当だったと考えていますが、私の問題のある行動が、彼らに故意を誤認させる原因になったことは確かでした。 私はなぜ、そうとは思わずに非常識な行動に出てし
7月の東京都議選中に「無免許運転」で「人身事故」を起こし、小池百合子都知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」を除名された木下富美子都議(54)に対し、地方自治法上の懲罰である「除名」を求める動きが本格化してきた。地元・板橋区の住民らが週内に、都議会と区議会の議長に対し、「陳情書」を提出するという。 提出するのは、板橋区民の有志らでつくる「日本の民主主義と公平な選挙を守る会」(以下、守る会)。 都議会は7月23日の臨時会で、木下氏への議員辞職勧告を決議した。守る会は同じ日、都議会が地方自治法135条に基づき、より強制力のある「除名」をすべきだとする要望書を、板橋区民ら計5609人分の署名とともに出している。 木下氏の行為が、地方自治法上の懲罰に該当するかは検討の余地があるが、議員の3分の2以上が出席した本会議で、4分の3以上が賛成すると除名は成立・失職する。 木下氏は、都民ファ
やる気はあるのか!? 7月の東京都議選中に無免許運転で人身事故を起こして「都民ファーストの会」を除名処分になっていた木下富美子都議(54)が当選証書を受け取っていたことが分かった。 木下氏は都議選直後に行われた当選証書付与式を無断欠席していた。板橋区選挙管理委員会によると、付与式後に木下氏の代理人と連絡が取れたという。「約1週間後に代理人の方が区役所を訪れ、当選証書を受け取っています」(担当者)。当選証書を受け取らないと都議として活動できないわけではないが、現役都議によると「身の引き締まる重要なもの」とのこと。木下氏も当選証書を前にしてやる気になったのかもしれない。 とはいえ事故発覚からずっと身を隠している木下氏を取り巻く環境は悪化するばかり。17日には地元選挙区の板橋区民ら有志が立ち上がり、小池百合子東京都知事に請願を提出。小池氏に説明責任を求めている。 この団体は「日本の民主主義と公平
東京都議会の第2回臨時会が18日から3日間、開催される。7月の東京都議選中に無免許運転で人身事故を起こした木下富美子都議(54)は行方をくらましたままだが、かつての古巣に迷惑をかけまくっている。 木下氏は都民ファーストの会を除名となり、現在は1人会派「SDGs東京」を立ち上げた。ただ7月下旬の臨時会にも姿を見せておらず、ツイッターも非公開のまま。何をしているのかまったく分からない。 困っているのは都民ファだ。ある関係者は「彼女の選挙区である板橋区にはまだポスターが貼ってあって、それをはがすように本人や周辺の関係者に連絡しているのですがナシのつぶて。すでに除名しているとはいえ、ポスターは公認した都民ファに責任があります。なので代わりに我々が、はがしに行こうと話し合っています」と明かした。 はがしに行くのは、木下氏個人の選挙ポスターではなく確認団体のものだそうで、法律上ははがす必要はない。ただ
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「被告人を懲役8月に処する。この裁判確定の日から3年間、その刑の執行を猶予する」 2021年7月20日火曜日。熊本地裁の101号法廷で、杉原崇夫裁判官が有罪判決を宣告した。刑法190条、死体遺棄罪。被告人は熊本県南部の農家で働いていたベトナム人技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リンさん、22歳。 約150万円にものぼる借金を負って来日したリンさんは、妊娠に気づいたあとも、妊娠を理由に強制的に帰国させられることを恐れ、働いていた農家や監理団体に言えないままでいた。そして、当時21歳だった彼女は、11月15日の午前中、孤立出産で双子を死産する。 この事件については、前回の記事で、「これで有罪になれば大変なことになる」という慈恵病院の蓮田健院長の危惧などを伝えた。 ●「これで有罪になれば大変なことになる」孤立出産で死産した技能実習生の起訴に対して医師が示した危機感 死産直後のリンさんは、出血を含む
『刑務官が明かす死刑の話』(一之瀬はち/竹書房) 世界では死刑を廃止する国も多い中、日本では維持されている。しかし我々がその実態を知ることはほとんどなく、法務大臣による執行の報告がわずかにニュースで取り上げられる程度だ。それにはさまざまな理由があるのだろうが、制度が存在する国の民としては、多少なりとも「何が行なわれているのか」を知っておくべきではないか。『刑務官が明かす死刑の話』(一之瀬はち/竹書房)は、死刑がどこで、どのように執行されているかなど、我々が知りえなかった事実を漫画で分かりやすく教えてくれる。 まず基礎知識として、死刑は一体どこで執行されているのか。「刑務所」と考える向きも多いと思うが、実は「拘置所」なのである。刑務所と拘置所の違いがよく分からない人のために解説すると、拘置所というのは刑が確定していない「未決囚」が入る施設で、つまりは刑を待つ場所。一方で刑務所は有期刑および無
「もしこれで有罪になってしまうと大変なことになります」 通称赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)の運営でも全国的に知られる慈恵病院(熊本市西区)の蓮田健院長(産婦人科医)が、とある裁判後の会見で強い危機感を示した。 慈恵病院では24時間のSOS相談事業などを通じて毎年6~7000件の妊娠・出産相談を受けており、相談は全国の女性やその関係者から寄せられるという。 「今回の判決は無罪でないと困ります」 「(有罪判決が逆に)犯罪を誘発してしまう可能性を心配しています」 「今回有罪になったら、私たちも(電話相談などの)対応をガラッと変えないといけないので」 会見でのこうした言葉とともに、蓮田院長が大きな懸念を示したその裁判を、私も傍聴していた。 熊本地裁 2021年6月21日月曜日。13時半からベトナム人技能実習生のレー・ティ・トゥイ・リンさんを被告人とする刑事裁判の第一回公判が開かれた。場所は
財務省の決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した、近畿財務局の赤木俊夫さんが職場に残した、いわゆる「赤木ファイル」が開示されました。この中で、赤木さんは強く抗議したのに改ざんが続けられたため、その過程を記録したと記していて、財務省本省の指示の内容などが詳細にまとめられています。 「赤木ファイル」は、森友学園に関する決裁文書の改ざんに関与させられ自殺した近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)が職場に残したもので、妻の雅子さんが国などを訴えた裁判で開示を求め続けてきました。 このファイルについて、国は、21日裁判所に提出し、原告側にも22日午前、大阪市内の弁護士事務所に郵送で届き、雅子さんが受け取りました。 ファイルには518ページの文書がとじられていて、その冒頭で赤木さんは「現場の問題意識として決裁済の文書の修正は行うべきでないと財務省本省に強く抗議した。本省が全責任を負うとの説明があった
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